様々な生地をお試しあれ

私が知っているなかで圧倒的な日本酒通のお客様からとあるお酒をいただきました。

“十六代九郎右衛門 純米吟醸 美山錦”

元々お客様が贔屓にされていた酒蔵で、今回IWC純米吟醸の部でこのお酒が342点中第1位という栄誉に輝きました。

これは楽しみすぎです。

以前も「田光」というお酒をいただいてあまりに美味しくて感動したことがあります(今は味が変わってしまったのですが)

情報というものはネットの情報より自分の足を使ったもの以外では実際に経験された方の話を直接聞くことが何よりも信憑性があります。

最近だとマットレスや靴、スキンケアとか教えていただき参考になりました。

皆様の情報どしどしお待ちしております。

 

 

 

 

お客様が選ばれた生地が自分も気に入っている生地だとものすごく嬉しくなります。

自分が気に入ったバンチしか仕入れていないのですべてといえばすべてなのですがその中でも特に惹かれる生地は尚更です。

先日オーダーいただいた生地はVBCのBEAUSOLEIL 21μ。

いわゆるソラーロです。

写真は少し明るく写ってしまったのですが、この生地は毎シーズン人気で雑誌でも頻繁に取り上げられているほど評判。

経糸と緯糸の色が違い、動きがあると裏側の色が表にさり気なく出てくるのでとても複雑な色に。

一般的な繊細なウーステッドのベージュ系ソラーロは少し目立ちやすいので上級者向けでもあります。

このBEAUSOLEILはうっすらヘリンボーンの織り柄が入り目付もあるので落ち着いて見えてはじめての方でもおすすめですね。

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すでに発送してしまいましたがENGLISH SILVERNのネイビーもとても良い生地でした。

織元はイギリスの老舗高級生地メーカーで私も一押し。

光沢があっても落ち着いていてまさに英国的エレガンス。

着る時期は限られますがPremier Cruなども圧倒的に美しい仕立て映えで惚れ惚れします。

無地なんて色柄が似ていればどれも同じでは?

いや、まったく違います。

だからこそ毎回違うスーツを作りたくなってしまう。

皆様はどのような生地が好みでしょうか。

 

 

 

 

 

“人は見た目が9割”は正しい

常連様のご紹介の石川県のお客様から大阪に来られたからとスーツをオーダーいただきました。

石川県にもオーダーのお店が色々とある中、遠くから本当にありがとうございます。

お若くして近々独立されるとのことで、やはり仕事ができる方は身だしなみも気にされています。

そういえば香川県のお客様からお伺いしたのですが最近は四国でもオーダースーツのお店が続々とできているそう。

地方でもブームなのですね。

吊るしからオーダーの時代へ。

需要は減ってきているとはいえオシャレなお客様が増えることはいいことです。

 

 

 

ベストセラーにもなった “人は見た目が9割” でもあるように人は第一印象がかなり重要で、見た目でその人の大部分を印象付けたり信頼感、あるいは不信感を持ったりします。

有名なメラビアンの法則にもあるように見た目の重要性については何百年も前から知られていることで、身だしなみに気を使われるお客様には至極当然のことであるかもしれませんね。

しかし最近ふと思ったのですが、改めて考えると相当に当たっているなぁと。

その人の服装や服の選び方を見ると大体どのような人か分かります。

一切服に興味がない人、ハイブランドのみで全身を固める人、派手を極める人等々。

服の系統によってもかわりますよね。

 

その中でも、スーツ、コート、靴、ネクタイ、鞄、靴下とどの部分にも気を抜かず圧倒的にオシャレな方。

高級ブランドだからいいと選ぶのではなく、上質かどうか仕上がりはどうかで品を選び、どのような服を着てもバランスが取れているので派手にも地味にもならずさり気なく着こなしている。

シンプルでも雰囲気が上品でいわゆる紳士を感じる方々です。

シャツを完全に着こなしていたりスカーフや眼鏡などの小物の使い方が秀逸だったり、決め決めな感じがしないのにさらりと着こなせるセンス。

そのようなお客様が当店にもいらっしゃるのですが、皆様驚くほどこちらのことを気遣ってくださります。

細かくはいいませんが、配送やご予約、支払いに関してだったりLINEのやり取りであったり、このようなところまで気にしてくださるのかと驚くことが多いです。

性格的にも穏やかで誰に対しても優しい方ばかりなので、私も毎回お会いするのが楽しみになります。

そしてそのような着こなしと人格を照らし合わせると100%の確率でマッチしていました。

 

以前有名な高級イタリアンに行ったとき、背中にシワができサイズの合っていない服(黒スーツ)を着ているウェイターさんは話し方、動きもそれなりでしたが、ワインを持ってきてくれたウェイターの方は所作は美しく話術も素晴らしくワインの知識も完璧でした。

スーツもきれいに着こなしていて特にネクタイのこだわりがすぐ見て取れたので印象に残り、帰りに名刺をいただいたのですがソムリエ兼支配人の方でした。

最近行ったフレンチでもシャツのダボつきが見えた若いウェイターの方達は笑顔もなく説明もスムーズではありませんでしたが(新人さんぽいので仕方ありませんが)、ワインを持ってきてくれた方は話術に所作、さり気ないサービスなどさすがだなと思いました。

清潔感ある身だしなみに左手小指にはシグネットリングとセンスを感じ、やはり支配人の方でした。

 

自分が気にしていない部分に気づくのは難しいものですが、自分より一歩上にいる人は口に出さないだけでその部分が見えています。

そして似たようなこだわりを持つことが分かると、信頼感が湧き好印象を持つことも分かっています。

当然その逆も多いということ。

 

人は見た目が9割です。

 

 

 

 

 

秋を彩るブラウンスーツ

秋真っただ中で毎日過ごしやすい季節です。

芸術の秋、行楽の秋ということでフルートのコンサートやキャンプの予定を立てていたのですがどちらも仕事で中止に。

いや、忙しいことは本当にありがたいことで心から感謝しております。

しかし読書の秋やスポーツの秋(ジムで体を動かしているだけですが)は満喫していますよ。

残るは食欲の秋、そして何より大事なファッションの秋です!

ということで、バシッとスーツを着て美味しいものを食べに(仕事に)行ってきました。

 

大阪ステーションシティにあるフレンチレストラン“LAGUNAVEIL PREMIER RESTAURANT”へ。

好き嫌いはないですが和食と鮨とフレンチが特に大好物です。

ここ2か月ほど色々重なってフレンチに行く機会が多かったのですが、雰囲気も良く最近の中では特によかったですね。

 

そしてブラウンスーツ。

まさにAutumn color、秋を代表する色です。

今は1年通してブラウンスーツは人気ですが、フィレンツェやナポリのサルトが土着の色を愛するように、日本でも秋の雰囲気や情景はブラウンを連想させますね。

目付けは260gの合い物生地です。

残暑が長引いたとはいえさすがに夏スーツは衣替え。

冬スーツはまだ早いですしTPOを考えたスーツ選びが肝心です。

もう定年されたお客様ですが春、夏、秋、冬、真冬と分けられていました。

春秋ではなく春と秋、冬物ではなく冬と真冬。

ここまで分けられる方はほとんどいませんし驚くほどかっこよくまさに紳士で、このように歳を重ねたいと思ったものです。

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ジャケットもスーツも着やすい秋。

特に楽しみな季節です。

思いきり満喫するためにブラウンコーデはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

最強着回し力 “紺ブレ”

セレクトショップで売れてるor展開しているスーツの生地を見ると両極端に振れてるものが多い気がします。

ものすごく繊細だったりめちゃくちゃがっちりだったり。

日本ではブームなのでしょうか。

推していたすごい強撚糸のスーツは、私が以前作ったものを見た時かなりの目付だったので生地自体の重さで全体に垂れ下がっていましたしパンツも常に生地が重力に引っ張られていたので足を前に出し辛くここまでじゃなくていいなぁと感じました。

もちろんツイードのように素材や織り方によっては5、600g以上でもいいんですけどね。

超繊細な生地も好きですが耐久性を考えても持っていてもここぞというときに着るあくまで全体の一部かな。

 

 

 

 

お客様スーツが仕上がりました。

絶対定番の紺ブレです。

アメトラ好きの方は100%お持ちでしょう。

金のメタル釦はもはやシンボル!

フラップ付きのパッチポケットもまさに。

こちらのお客様はダブルの紺ブレもお持ちです。

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定番ではありますが数年前からメンズレディース共に紺ブレブームが再燃しています。

とにかく使いやすいですからね。

金メタルの紺ブレは制服のようで苦手という方も多いですが(まぁ元は制服ですし)着回し力がすごいです。

イタリアの伊達男たちは様々な色の綿パンやミリタリー、デニムなどと合わせてドレスダウンして着ていることも多いです。

もちろん普通にグレーパンツのジャケパンでドレス寄りでも。

センスがある方には一生にわたり強力な戦力ですね。

 

私もベロアの紺ブレを仕立てようと考えています。

メタル釦も色々あるので迷い中ですが。

 

 

 

 

上品さNo.1! COLOMBOのライトグレーカシミヤマフラー

かなり寒いです。

街では秋物のコートを着てる方もちらほら。

秋シャツに大好きなツイード系のジャケットが着られるのが楽しみではあります。

ところでシャツを着こなしている方は十中八九おしゃれな方が多いと思っているのですが靴下もそうかもしれません。

美容院で話していたのですがちらりと見えた時に分かる。

○足1000円みたいな靴下はすぐダメになるしいい柄がない。

ビジネスではロングホーズですがオフもセンス良く。

髪は細部に宿る。です。

 

 

 

寒くなってきたので冬支度を開始されている方も増えてきたのではと思いますが上質なマフラーはいかがでしょうか。

COLOMBOのピュアカシミヤマフラー。

高級素材の中ではロロ・ピアーナ、アニオナと並び、カシミヤマフラーを代表するブランドのひとつですね。

美しい畝と艶やかな光沢、滑らかな肌触りは業界の人間だけでなくセレブやエグゼクティブの定番ともなる極上のピュアカシミヤマフラーです。

全体

ライト

現在1点のみご提供できます。

昨年仕入れたものですが唯一在庫で残っているもの。

実は様々なカラーを仕入れたのですが、このライトグレーが個人的に一番気に入り自分用も含め一番仕入れた色なんです。

が、1点売れ残りました。

この色の使いやすさと良さが分からない!?

なるほど、皆さまもうお持ちの方が多いのでしょう。

上品とエレガントを体現できるセンスの塊のような色。

白との相性が良くベージュやキャメルにも抜群に合います。

もちろんネイビーなどにも。

海外セレブなどは頻繁に選んでいるカラー。

まだグレーのマフラーをお持ちでない方はぜひ。

ちなみにマフラーもかなり値上がりしていますがこちらのマフラーは仕入れた当時のままの価格です。

現在COLOMBOのカシミヤマフラーは5万円越えですがこちらは¥45100。

更に昨年販売していた特別価格でご提供いたします。

1点のみなのでご興味がある方は早めのご連絡をお待ちしております。

 

 

 

 

Good fabricks.

同じような感性をお持ちのお客様とは他の部分でも通じる部分も多くお話ししていても楽しいですね。

服の系統やファッションセンスだけでなく、食べ物であったり美容であったり趣味であったり。

自分は食べ物に結構気をつかう方ですがもっと詳しく調べられているお客様がいて驚きました。

健康の為にも普段食べているものは本当に大事。

かっこいいおじいさんになる前に病気で寝たきりになっては意味がありません。

豆知識ですが河豚(ふぐ)って元々毒はないんです。

毒に耐性があり毒をもつ小さな餌を食べ、その食べた毒が凝縮されてふぐに蓄えられ身を守っているんです。

何が言いたいのかというと・・・私達が普段食べている物は間違いなく私達の血となり肉となっているということ。

でもたまにはポテトチップスを食べたくなるのです。

 

 

 

 

 

 

上質な服はいい仕立てといい生地から。

まぁ当たり前のことですね。

でも生地ブランドはたくさんありますが意外に使用している生地はみんな似たり寄ったりしている気がします。

 

先日世界トップサルトのひとつアルトリア・パニコがW.Billのシェットランドツイードでジャケットコートを仕立てた写真をアップしていました。

W.Billのシェットランドツイード、私も同じ生地のジャケットを持っていますが間違いない生地ですよね。

キープしている着分もパニコが仕立てていた生地とほぼ一緒のもの。

W.Billはイタリアでもイギリスでもトップサルトでは大体使われています。

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PORTER & HARDING、これも本当に素晴らしい品質。

サヴィルロウでは絶対定番であり、イタリアの一流サルトでもよく選ばれています。

PORTER & HARDINGのガンクラブチェックはもはや説明不要ですね。

ジェントルマンの証にもなる生地です。

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Gieves & HawkesやHuntsmanをはじめとした一流テーラーが集まるサヴィルロウではほとんどといっていい程Harrisons of EdinburghやSMITH WOOLLENSに上記の生地などLBDグループの生地ばかり。

とあるテーラーではそれらのバンチの奥にひっそりとLoro Pianaのバンチが置いてあり尋ねてみるとあまり使用していないとのこと。

ソリートの工房ではSMITH WOOLLENSなどが多かったとお聞きしました。

HOLLAND & SHERRYも人気ですね。

知り合いの職人がナポリで修行していた際、色々なサルトをまわってみるとほとんどCaccioppoliとARISTONのバンチしかなかったと言っていました。

 

イタリアでもイギリスでもそんなもので大体人気所は同じ。

何の基準で選ぶのかは分かりませんが自分達の仕立てにあったものを選んでいるのかもしれませんね※中には大人の事情で選んでいるものもあるそうですが

選ばれた生地はかなり品質の高いことは間違いありません。

 

日本はひとつのテーラーにかなりの種類のバンチを置いていることろも多いです。

贅沢ですね。

 

 

 

Dandy

昼も過ごしやすくなり衣替えで夏物の整理もほぼ済みました。

夏から最近まで履きまくった白のリネンパンツ(SEA SHELL)を手洗いして漂白しましたが今季の出番は終わりですね。

それにしてもやはりSEA SHELLいい生地だなぁと思いました。

畳んで手洗いし漂白剤に付け置き、形を崩さないままネットに入れて脱水し陰干ししましたがほとんどシワになっていない。

そのまま履けます。

さすが1970年代にロンドンで大流行した生地。

クリーニングだと想像以上に傷みますし、通常の生地で自宅での洗濯だと手間がかかりますが、SEA SHELLだとアイロンいらずで簡単。

来季も追加してヘビーローテです。

 

 

 

 

 

お客様がスーツのお受け取りにご来店くださいました。

いつも本当にかっこよく着こなされています。

あくまで自分を引き立て引き出させないと。

 

早速ご試着いただきました。

いい感じです。

紳士が楽しむモダンカントリーな雰囲気を感じます。

昔に寄せすぎて野暮ったくなっては意味ないので。

アイロンワークでクセ取りした曲線で胸も立体的に。

まだ生地が馴染んでいませんがそれでも仕立て映えする。

着るたびにポテンシャルが発揮されていくと思うので冬が楽しみですね。

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釦を留めないでも様になる佇まい。

ダブルブレステッドだと釦を外し前を開けて着るとどこか自然に見えないジャケットが多いです。

シングルとはフロントカットが違うのと、あとはラペルや打合いの仕立て方やバランスの問題。

研究を重ねただけありアイロンワークも合わせていい感じに仕上がってくれました。

ダブルのかっちり感から、ラフにドレスダウンさせても垢抜けた印象で決まってます。

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スーツは奥が深いですからすべて似て非なるもの。

各ブランド、テーラー、サルトによって仕上がりの雰囲気は変わります。

自分の意思をくみ取ってくれるお店をぜひお選びください。

 

 

 

 

10年後も楽しみなスーツ 

昨日雨の中ご来店下さったお客様がお持ちだった傘は皇室御用達である前原光榮商店のもの。

私も長傘、折り畳み傘共に前原光榮商店です。

お客様はなんと3本もお持ちだとか。

服に合わせて傘も替える・・・さすがです。

ビニール傘を選ぶ人も多いですがビニール傘はほとんど資源の再利用ができずかなり大きなゴミ問題を引き起こしています。

特に日本はビニール傘のゴミが多い。

ビニール傘が悪いわけではありませんがどうせなら丈夫で何年も使えるものを大切に使ってほしいですね。

街でも上質な傘を持ち歩いている人を見かけるのは本当にまれ、ほとんどいらっしゃいません。

たまに見かけると大体が素敵な紳士淑女ばかり。

お客様とFox Umbrellasの話もしていましたがこれも本当にいい傘です。

開く際の音が違う。

ただシルバーヘッドの傘はさすがに勇気がいります(笑)

 

 

 

 

 

 

お客様のスーツが仕上がりました。

ハンドメイドで仕立てたダブルブレステッド。

ウーレン系の起毛感がありますがしっかりとした若干肉厚な質感でまるでツイードの様。

耐久性があり仕立て映えして、触った瞬間にいい生地だと分かりました。

大柄チェックもいいですね。

馴染むと更に雰囲気が出そうです。

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打合いを大きく取り、手八刺しで裾まで大きく返るラペル。

そのような形にしたのはフロントを開いても様になるからです。

途中で切れず美しく反り返る方がエレガントに見えます。

もちろん真ん中の釦でも下段の釦でも留めることが可能なのでかっちりと着こなすことも可能ですよ。

着る度に円熟していくというか育っていく印象があるスーツです。

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ハンドメイドで仕上げた美しい釦ホールのミラネーゼ。

職人の魂を感じますね。

ステッチも当然ハンドメイドです。

後付けの一枚襟は殺し襟で曲線に仕上げ首元にもフィット。

現在は必要はないといわれるひげ襟も襟をきれいにみせる効果があるとも。

見えないところも妥協しません。

袖、背中にクセ取りを行い人体に沿って立体的に仕上げ着心地と運動量を確保しています。

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よいスーツは着れば着るほど好きなっていきます。

仕上がったばかりよりも時が経つにつれて味が出てくる。

5年後10年後が楽しみですね。

 

 

 

 

S字クセ取りの極上トラウザーズ

お客様のPremium line(ハンドメイド)のトラウザーズが仕上がりました。

VBCのフランネル。

業界の人間であれば必ずは持っているであろう間違いのない品質です。

 

Bespokeと変わりない技術を詰めこみ、こだわりまくったトラウザーズ。

本当にスーツが好きな方ならお分かりでしょうがパンツこそアイロンワークが存分に活きてきます。

履き心地を向上させストレスを半減させる大切な技術。

S字に生地を曲げ立体的に仕上げているため平面に置いてもきれいになりませんがそれこそアイロンワークの極意。

お尻の上部分はしっかりとホールドさせ、太ももの前側大腿部は前方にカーブするようにクセ取りしています。

そして膝から下はふくらはぎに向かい後方へクセ取り。

人が歩く時に膝から前に出る動きを考えてS字にクセ取りを行っているのでこの動きやすさを実現でき足長効果も期待できます。

腰裏1周などもハンドメイドで仕上げ、履き心地を格段にアップ。

細かなところも一切妥協していません。

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一流といわれるサルトはトラウザーズの仕上がりも一級品。

基本は分担制なのでイタリアでもパンツのほとんどは外注ですが、名を轟かしているトップクラスのパンタロナイオに依頼しています。

私が敬愛するイタリアのサルトもジャケットこそ目を惹くシルエットなのですが、実はパンツの履き心地が驚くほど極上です。

当たり前ではありますが一流のスーツとはジャケットもトラウザーズもどちらも合わせて最高レベルの技術が詰め込まれてこそ。

奥が深いです。

 

 

 

万能ホップサック

現在Bespokeのオーダー受付を一時中止させていただいております。

ご迷惑おかけいたしますが何卒よろしくお願い申し上げます。

ご質問等ございましたらお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡くださいませ。

 

 

 

 

季節の素材を選ぶのはファッションのセオリーですが、今からの季節だと起毛素材が中心です。

セレクトショップでもほぼほぼ並んでいるのはツイードやフラノなどばかり。

よくよく考えると私が持っている秋冬のジャケットはすべてツイードかカシミヤでした。

やはり素材感のある生地に惹かれますね。

 

ただ、秋真っただ中の今のような時期は昼はツイードなどでは暑く季節感が合いませんし夜は夏ジャケットやアウター無しでは肌寒い。

中途半端な季節です。

最近は春と秋が短くこのような時期は何を着るか悩んでしまいます。

そんな中重宝するのが定番のホップサックジャケット。

3シーズン着用できますし様々な素材のボトムスとも相性がいいのでまさに万能選手といったところ。

使える時期が少ない春秋ジャケットに着数をかけられないのであればとりあえずホップサックジャケットを持っていれば何とかなるのではないでしょうか。

 

お客様からオーダーいただきました、Ermenegildo Zegna -ISLAND FLEECE-のネイビーホップサック。

先日サンプルが入荷した時もご紹介いたしましたが、現物をみて確信に変わりました。

間違いなくいい生地ですね。

色も織りも絶妙。

上質な原毛しか使用しないゼニアだけあり素材の良さやラグジュアリー感が溢れています。

しかも、いつもの繊細さを前面に出すのではなくゼニアの中でも特に太番手かつ双糸という英国的な織り。

使用されている原毛はフォークランド諸島のコリデール種100%のもので農薬や化学肥料を使用しない牧草を食べて大切に育てられたものです。

南極に近いフォークランド諸島は1年通して非常に寒く強風が吹き、そこで育った羊毛はとても丈夫だといわれています。

個人的な意見ではありますがここ最近のホップサックの中でも美しさと耐久性を兼ね備えた一番おすすめな生地だと思いました。

仕上がりが楽しみです。

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1着は持っておきたい万能なホップサックジャケット。

いざという時に頼りになりますよ。