転換点なのか

歴史に名を遺すブランドはたくさんありますが、生地ブランドも同じく名門として長きにわたり愛される続ける企業がたくさんあります。

今有名な高級生地ブランドは創業100年以上とかもざらですからね。

ただ、未来永劫は続くことはありませんが。

中には時代の流れに取り残されたり、はたまた時代と適応or先取りし更なる飛躍を遂げたり。

 

今とある生地メーカーが気になっています。

(以前は?)エルメネジルドゼニア、ロロ・ピアーナ、チェルッティ、デルフィノと並びイタリア5大ミルと称されるカルロ・バルベラ。

仕立てる前の糸は緊張状態にあることに気づき、その緊張を解くという独自の工程を取り入れ最高級の生地を作り上げることに成功した名門です。

特に2代目のルチアーノ・バルベラ氏はまさにイタリアを代表するスーパーファッショニスタでクラシックなイタリアファッション界の中で最高の伊達男といわれています。

彼の哲学の中で「動きやすくなければエレガントとはいえない」という考えがありますが、当たり前なこととはいえ私も大いに共感している部分です。

多少減ってきたとはいえ細すぎるスーツや見栄えが良いだけのスーツが人気の昨今ですが、窮屈さがあったり不自然さが見えたりでエレガントに見えません。

第二の皮膚のように動きやすく自然で調和していることが大事だと思います。

 

話を戻しますが、現在カルロ・バルベラは3代目のコラード・バルベラ氏が経営を引き継いでいます。

最近業界のことをほぼすべて網羅している重鎮のような方と話をしていたのですが、最近のバルベラは生地よりもプレタに力を入れているとおっしゃられていました。

確かに最近はバルベラの生地の話題があまりありません。

当然ですが素材や技術の品質というのは日頃からの努力の賜物であり日々進化しているもの。

企業として生地部門にかける労力や資金を減らしたからといっていって即座に品質が落ちるというわけではありませんし、間違っても粗悪ということは絶対にありません。

もしかしたらプレタとしても成功するかもしれませんし、生地としても更に飛躍するかもしれない。

ただ名門として名を馳せるバルベラがどうなっていくか、行く末が気になっています。

革新か、それとも。