好みかバランスか

とある人気チェーン店の創業者の「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」という名言とも呼べることば。

とても理解できますし他の業種でも同じことがいえますよね。

人気がありたくさんの人が求め満足しているのであればそれが1番いいのだと思います。

しかし私は「売れていても(人気でも)良いモノとは限らない」と考えてしまい、サービスや品質を見て他と比べてしまいます。

いろいろ経験すれば比較対照が増え価値の基準が分かって来るので。

例え評判が良くても比較して価値を感じなければまったく興味がわかない。

仕事で日本を代表する高級ホテルに行くことが多いのですが、確かに内装も立派で趣きがあります。

しかし接客も感動するほどでもないですし高いお金を払って泊まりたいとは思えない※あくまで個人の考えで素晴らしいホテルですよ

それよりも同じ値段を払うのであればお客様に教えていただいたホテルの方がよっぽど心惹かれワクワクがとまりません。

 物を売る仕事をする以上人気が出る商品を開発しないといけないのでしょうが、やはり世間の人気よりも自分が納得するものを作りたい。

ひねくれ者なんでしょうね(笑)

 

 

 

かつてナポリBIG4と称され最高峰の職人とよばれた故マリオ・フォルモーサ。

彼の言葉で好きな言葉があります。

「エレガンスは自然からの贈り物。裸でもエレガンスな人はいるし着飾ってもそうでない人もいる。仕立て屋はエレガンスを作ることはできないが、1人ひとりに合わせてその人の魅力を引き出す手伝いならできる。」

「既製服と注文服の違いは時代遅れになるかならないか。注文服はその人にマッチしているから、時代を乗り越えることができる。」

本当にマッチした服は多少流行が入っていても10年経っても気持ちよく着ることができます。

ブランドの服を着ても着られている感じがする人もたくさんいます。

オーダーでも同じでバランスが悪くマッチしていないと、似合わないことが多いです。

これは私も反省しないといけないなぁと思うことがあります。

とても極端な注文を受けることも多々あります。

お客様が求めているのであればそれを作るべきです。

しかも満足されているのであれば何も言うことはないのかもしれない。

好みは人それぞれ千差万別。

正解がないんですから。

 

本当はお客様と最大限マッチしているスーツを仕立てるために努力するべきかもしれない。

しかしお客様が喜ばず気に入らないのであれば本末転倒でもある。

もちろんめちゃくちゃなものは作るべきではありませんが・・・難しいですね。