北浜で友人と食事をしたあと、雰囲気のよいかなり本格的なウイスキーバーを見つけたので入ってみたのですがメニューがない。
小さなお店でマスター1人でされているみたいなのですが、友人がハイボールを頼むと「どのようなハイボールで」と。
ウイスキーに詳しくないのでどう答えればいいのか分かりません。
たまたま壁に貼ってあった竹鶴のポスターを見て「じゃあ、竹鶴で」とお願いすると、どの竹鶴がいいかと何種類もの名前をあげられていました。
もちろん名前を言われても分からないので、結局このくらいの価格のモノをといってオーダーを通したのですがやはりある程度知識がないとせっかくの雰囲気も楽しめませんね。
あとから何組も他のお客様が来店されていましたがみんなオーダー時は戸惑っている感じでした(笑)
そんな中、紺のジャケットに白パンツを合わせた白髪の老紳士(英国系っぽい顔立ちの海外の方でした)が一回り位下の女性を連れ来店され、さらりと注文して席に座ったのは中々かっこよかったです。
いきつけなのでしょうか、粋ですね。
自分も最近やっとウイスキーを飲めるようになったので最低限の基礎知識だけでも勉強したい。
これはバーに繰り出すしかありません。
お客様から襟を立てた時に見える裏側に見えるヒゲ襟について尋ねられたので少し説明いたします。
ヒゲ襟とは表地を裏側に折り返している部分の事です。
何回意味があるんですか?とのことでしたが現在ではほとんどありませんね。
昔は上襟のサイズを調節するときに必要でしたが今はそのようなことをすることはほとんどありませんので。
ただ襟先のまわりにも機能しますし襟後付けの証にもなりますので上質な仕立てに使われていることが多いです。
またpremium lineでは1枚襟の上襟は特殊な芯地を用い殺し襟(クセ取り)を行い首に沿うようにアイロンで曲げています。
この上襟のクセ取りはのぼりと吸い付きがよくなるので重要な部分なのですが、イタリアやイギリスのテーラーで仕立てられたBespokeジャケットや高級ブランドのジャケットでもきちんと行われていないものが結構あります。
平面に置いてみるとよく分かると思います。
30万以上もするスーツでも高いだけで見えない部分の手を抜くということはよくあることなので気をつけないといけませんね。
日本のとあるサルトの方がナポリの超人気サルトを見学した時にBespokeスーツにもかかわらず見えない部分だけ手を抜き芯地は化繊混だったと衝撃的な話をされていましたが結局その職人の意識の違いなのでしょう。
大量生産用のお手軽スーツであれば昔では考えられないほどの低価格帯でオーダーできるだけでもすごいことなのでそこまでこだわるのは不可能ですが、本格的なスーツであれば見えない部分も手を抜かず価格に見合ったスーツを仕上げて欲しいものですね。