お客様と雑談していたときに懐中時計の話になりました。
「昔の懐中時計はボタンを動かすと鐘の音が鳴るんだよね。」
ミニッツリピーターを存じでしょうか。
時計好きの方には有名ですが、機械時計には世界三大複雑機構とよばれる、「トゥールビヨン」「パーペチュアルカレンダー」、そして「ミニッツリピーター」の3つの発明があります。
ミニッツリピーターとはレバーを動かすことにより時計に内蔵されたハンマーがゴングを叩いて時間を知らせる装置の事。
メーカーによって違いますが、例えば低音のゴングが3回鳴れば3時、続いて高低音のダブルゴングが2回鳴れば1回15分なので30分、続いて高音ゴングが5回鳴れば5分で3時35分を示すといった具合です。
300年以上前に発明され、そこから100年以上経ってからブレゲが小型化に成功し、懐中時計に取り入れられ上級階級に愛されるようになりました。
音は小さめなものが多くシンプルな金属音なのですがその音がなんとも美しい。
もちろん時計によって音は違うのですが、儚いようなそれでいて強く透きとおるような音色のものが多いように感じられます。
現在ではデジタル技術やクオーツによって簡単に音を出すことができるようになりましたが機械時計で作るとなると驚くべき高い技術であることが分かります。
当時はまだ電気がなく夜はとても暗かったため音で時間が分かるように開発された経緯があります。
また、懐中時計や腕時計に搭載されてからは人前で時計を見るのが失礼にあたる場所で重宝されたという話もあります。
今では高級な腕時計くらいでしか見ることのできない機能なので簡単には手にすることはできませんが。
永久カレンダーとよばれるパーペチュアルカレンダーもそうですが、この時代にそのような機能に大金を出してまでの意味があるのかと言われれば多分ないのかもしれません。
でもそこにはロマンがあります。
タレントの関根勤さんが、愛用しているロレックス ディープシーが3900mの深海まで耐えられることを自慢し「そんな場所に行かないでしょ」との突っ込みに、「もし海に落として潜水艦が拾ってくれたらシリアルナンバーで返ってくる」と楽しそうに話していました(笑)
物や何かに意味を持たせるのは自分自身なんでしょうね。
同じものを見ても人によって捉え方が変わります。
好奇心があり何にでも意味や価値を見いだせる方は人生を満喫し楽しんでいる方が多いと思います。
実際に成功者は行動的で好奇心の塊のような方が多いという統計が出ています。
単なる音の鳴る時計ですが男心をくすぐる何かを感じませんか。