Natural

最近お客様とお話しした会話の中で少し気になる話がありました。

そのお客様は一流の職人さんや有名テーラーなどで色々なオーダーをされているお客様。

大阪の人気ビスポークテーラーで仕立てた時に二度目はないかなというご感想。

仕上りにミスはありましたがそこはオーダー慣れされていて、1回目でうまくいかないことはご理解されていらっしゃいました。

問題は急く感じの流れ作業でじっくり話し合って作れないということ。

私も他のお客様や職人、そのテーラーが以前勤めいていたショップの店員からも色々聞いていて、多分キャパティシィを超える受注を受けているため忙殺されているみたいです。

大人気で素晴らしいことではありますがやはり詰め込み過ぎは色々弊害があるので調整するところが多いですね。

トップサルトのトランクショーでも予約制で大体の着数は決まっていますし、大坂の人気ショップはオーダー受注制限をかけ、大阪駅前ビルのビスポークシューズの店は人気過ぎて以前数か月受注を止めていました。

長居しすぎると迷惑になることもあるので注意が必要ですが、親身に話し合ってくれるということはとても重要だと思います。

 

 

 

 

 

お客様のコットンスーツ。

パッカリングも出てきていていい感じですね。

ジーンズでもこだわりの要素でありますがスーツでも同じく重要な部分です。

またシワもコットンスーツの醍醐味。

シワを嫌う人もいますがナチュラルさというかそこに色気を感じませんか。

ひとつとして同じ状況のない自然な雰囲気こそ一番求めてられているような気がします。

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ブランドの広告やセレクトショップのモデルの着こなしはシワひとつなくピンで留めたり加工したりして完璧な状態で撮影されています。

ものすごく美しくきれいに撮れている。

まさに特別なワンシーンを演出し引きつける魅力があります。

それはそれでいいのですが、ただ実際に着ることを想像してみると完璧すぎて逆に不自然に思えてしまうことがあります。

紳士の世界ではボーブランメルのいうように特別を感じ振り向かれるようでは真の洒落者ではないと。

数百のダイヤが埋められた時計やデカデカとブランドロゴが前面に出ている服は凄いと思ってもお洒落と思いませんよね。

「自然」を感じることは心地良さを感じ安心感を覚えそれが本来のお洒落と繋がっているのではないでしょうか。

もちろん紳士の世界以外では相違しないかもしれませんが(笑)

 

 

 

 

繊から堅へ

今日は成人式に向かうきれいな振袖を着た女性をたくさん見かけました。

華やかですね。

皆さんの笑顔を見ているとこちらも嬉しくなります。

時間のせいか新成人の男性の姿は見かけませんでしたが、昔から女性に比べ男性はそこまでスーツに気を使っている人が少ない気がします。

式典だってPTOを考えビシッと決めていかないと。

別に服なんて何だっていい。と考える人よりメリハリをつけ意識を変えられる人が大成を成しやすいんですよ。

今私が20歳に戻れるなら、そうですね・・・TROFEOを着て他を圧倒して見みせます(笑)

 

 

 

今日の連休でお正月休みも終わり本格的に始動される方も多いと思います。

新年はとっておきのスーツを着て気持ちよくスタートしたいですね。

 

オーダーいただいていたお客様の生地が届きました。

VBCのSUPER BIO。

私もとても好きな生地です。

56番手という太い原毛を使用し目付も360gとしっかり。

しかも経緯双糸。

英国顔負けの堅牢さをほこります。

落ち着いた光沢もあり仕立て映えする欠点のない生地ですね。

今まで何着も仕上がりを見ていますがとてもきれいに仕上がっています。

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5年位前は日本中イタリア生地ばかりが出回っていて(今もですが)、どの生地もいかに細くいかに繊細にばかりを追い求めていた傾向があったような気がします。

あるメーカーもSUPER250’sとか驚くほど繊細な生地を作っていましたがいつ着るのでしょうか。

細ければ細い程光沢が出るわけでも着心地が繊細なわけでもありません。

もちろんパーティーや式典など華やかな装いには艶やかでエレガントな生地で仕立てたスーツを着たいところですし、私も光沢のあるスーツは好きですが基本は長く着れて仕立て映えするものが好まれます。

実際サルトで特に人気なのはHOLLAND & SHERRYやFOX BROTHERSですし、サヴィルロウではほとんどHARRISONSのもの。

ナポリではCaccioppoliやARISTONですが、実際にビックサルトの工房にはSMITH WOOLLENSの生地がたくさん置いてあったり、やはり仕立て映えや丈夫さは重要です。

 

しかしここ数年はイタリアの生地でもSUPER BIOのようなしっかりとしたハリコシのある生地がよく作られているようになってきて流れが変わってきたのかもしれません。

繊細から堅牢へ。

そういえばあの美味しそうな名前の生地はいい生地だなぁ。

 

 

 

 

 

謹賀新年

皆様、あけましておめでとうございます。

毎年、年初めはご予約が入りにくいのですが今年は営業開始初日から連日ご予約をいただいております。

貴重なお休みのところご来店下さりありがとうございます。

 

 

私も正月休みは家でのんびりしておりました。

靴磨きをしようと靴を引っ張り出しアッパーもソールもきれいにケア&磨き上げ。

はじめは5足くらいで後日に回そうと考えていたのですが、もう一気にやってしまおうと10足以上を5時間くらいかけて磨いていました。

おかげで腕がパンパンです。

 

唯一外に出たのは初詣。

朝晩は冷えたのですが日中は厚いコートはいらないくらい暖かかったですね。

W.Billのコーデュロイパンツ、ウールセーターの上にMTRのカシミヤジャケット、そしてLeichtfriedのローデンコート。

途中で手袋もマフラーも外して正直暑いくらいでした。

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それにしてもローデンコートは本当に使いやすいなとつくづく実感します。

伝統的なローデングリーンという色が万能なこともあるのですが、Aラインのコートはざっくりと気軽に羽織ることができます。

オンオフ問わないところもプラスですね。

次は大柄のヘリンボーンのブラウンコートを考えています。

 

 

 

マナーと品格、そして身だしなみを嗜む。

そのような紳士なお客様と出会えることが本当に楽しい。

紳士淑女のお客様のご要望に応えられるよう全力で邁進してまいりますので、本年も何卒よろしくお願いいたします。