ゴージライン

最近お客様からゴージラインについての問い合わせがありました。

曲線をよりカーブさせたいとのご相談です。

実はこのご相談は意外に多く今までも10人以上のお客様から問い合わせを受けたことがあります。

結論から申しますと極端なカーブは不可です。

イタリアなどの世界に名を轟かせる一流サルトのスーツを見ても極端なゴージラインのスーツはないと思います。

下の写真はイタリアのトップサルトの仮縫いの風景。

ゴージラインは中々見かけないすごいカーブですね。

詳しい方から話を伺ったところ何度も仮縫いで合わせてここまでできたはずとのこと。

高い技術をもつ職人のBespokeスーツで手間をかけやっとここまでできるということでしょう。

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以前お客様に「ただ曲線を描いて縫えばいいだけでしょう?」ということを言われたのですがスーツはそんな簡単なものではありません。

ただ単に生地を切って張って終わりであればただの素人のコスプレであってスーツともジャケットとも別物です。

思いきり省略しますが、上襟芯地からクセ取りし見頃に付けまたクセ取り、とても立体的に形作っていきます。

上衿と下衿が合わさる部分、つまりゴージラインとなる部分ですが、その部分をはしごまつり縫いで縫い合わせていくときに極端な曲線をお互いきれいに合わせていくのは至難の業。

できたとして仮縫いしてズレを調整して仮縫いしてと繰り返す多大な時間と費用が費やされるでしょう。

内側に生地を織り込みますが引きつったり浮いてしまう可能性もあります。

ファッションショーに出すようなファションデザイナーの作品であれば、服という概念が一般的なものではないので強引に作ることはできますがそれは別物ですね。

 

服というものは奥深いものだと思います。

だからこそ惹かれるのかもしれません。

 

 

 

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