圧倒的存在感

ここ何年かずっと経済や歴史、地政学を勉強しているのですがこれが本当に面白い。

まだすべてを理解しているわけではないですが今日本やアメリカや世界がどのような状況なのか、将来どうなるのか、大筋ですが見えてきます。

コストプッシュで物価も上がっていくことでしょう。

オーダースーツとかも、選ばれた人しか着れなくなっていくんでしょうね。

でもオーダースーツしか着ない私は選ばれているわけではいませんが・・・。

 

 

 

 

お客様のスーツが仕上がりました。

ネイビーストライプのダブルブレステッド。

イタリアのトップサルトを研究しSPiCAがオリジナルで完成させたどこにもないデザインです。

釦を留めなくてもかっこよく着こなせるように考えられ、特徴的で象徴的なラペルは、威厳・色気・静寂・気品を感じさせる、静かでありながら圧倒的な存在感。

着るたびに生地に動きが出てシワが入り、洗練された雰囲気が増していきます。

もちろん釦を留めればきっちり見えるのであらゆるビジネスシーンで活躍します。


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スーツは仕事で着るもの。という世間一般の認識。

これほどかっこよく周りからの信頼が一番厚い装いなのにもったいないと思います。

装いの価値が分かっていない?着こなし方が分かっていない?

服というのは自分のアイデンティティを固め内面が出てくるもの。

もっと自由に着てもいいと思います。

 

 

 

 

深みで魅せるベルベットの力

最近ホワイトコーデが流行っています。

もちろん流行りといっても定番ではあるんですが、セーターにコートにトラウザーズにと白を取り入れる着こなしが多い。

もちろん私も1年通して白大好き人間ではありますが、他にも明るいライトグレーもおすすめです。

寒い季節は黒っぽい着こなしが多くなるので、その中で白は光そのもののように浮かび上がる。

質感も際立つので上質さも分かりやすい。

女性だったらホワイトカシミアコートとか雪景色のような静けさ品格が表れて素敵だと思いますね。

メンズはセーターとパンツが着こなしやすいですよ。

 

 

 

 

新年会に行ってきました。

昨年伺ってとても気にいったフレンチの『NELU高麗橋』さんへ。

料理はおいしい、雰囲気はいい、そして接客も素晴らしいです。

アルバイトの女性の方もとても礼儀正しくサービスも気配りも文句なし。

上質なお店は雰囲気だけでなく働いている人自体に素敵な人が多いですね。

 

上着はHARRISONS MASQUERADEのベルベットジャケットです。

映画『キングスマン』でハリーが実際に着ていたのがこれですね。

大のスーツ好きで知られるタレントのハリー杉山さんも着用していました。

目が詰まりしっかりとした上質なベルベットはフォーマルに相応しい品質です。

 

ベルベットジャケットってまさにザ・フォーマルって印象だと思います。

しかし、意外にカジュアルシーンにもよく登場するほどで幅広い着こなしが可能です。

ジーンズやカジュアル寄りのスラックスなどと合わせる着こなしも人気。

女性などはメタル釦のダブルジャケットを気軽に羽織る感じで着こなしています。

普通に街中に馴染地つつもどこか上品さを感じさせる。

光を操る陰影もベルベットの魅力です。

光が弱い環境ほどベルベットの陰影が際立つので、夜の為のジャケットともいわれていたくらいです。

色気とはいうのはとても大事であり、私も特に気にしている部分。

人生の質そのものを底上げしてくれる。

美意識が人格の一部になり、その余裕が他者を安心させ信頼を生む。

そんな大人の色気をまといたいのならベルベットジャケットはおすすめですよ。


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VALVET JACKET(MASQUERADE)

price

MTM : 100000

HANDMADE : 160000

 

ブランドロゴが消える?

ネットニュースで見たのですが、「The new luxury bag is indie(新しいラグジュアリーバッグは“インディ”である)」という海外の記事が話題になっていました。

記事の中では、LVMHをはじめとしたラグジュアリーグループが伸び悩む一方で、『大きなロゴを前面に出さない、無名に近いブランドのバッグが支持を集めている』という現象が紹介されていました。

派手なモノグラムや、誰が見ても分かるブランド名。

かつては「成功」や「豊かさ」の象徴でしたが、今は少し空気が変わってきているようです。

 

 

 

ロゴが消えたのではなく、「主張」が消えている

最近、
「一目で高そう」
「分かりやすくブランド」
そういう服装をしている方よりも、

・色数が少ない
・装飾がない
・素材とサイズ感がきれい

そんな装いをしている方の方が、圧倒的に上品で洗練されて見える。

これは流行というより、価値観の変化だと思っています。

私たちが好む上質だけどシンプルな着こなしが見直され始めたのかもしれません。

ロゴは「分かりやすい記号」です。

でも、本当に自分の軸ができてくると、人に分かってもらう必要がなくなる。

誤解のないように言っておくと、ロゴが悪いわけではありません。

ロゴにはロゴの役割がありますし、それ自体がデザインとして美しいものもあります。

ただ、ロゴが「主役」になりすぎてしまうと、途端に服がうるさくなるということです。

 

ロゴが邪魔をしない。

もしくは、ロゴがなくても成立する。

そういう装いを選ぶようになると自然と


・素材
・色のトーン
・サイズ感
・全体のバランス

に目が向くようになります。

つまり、ロゴに頼らない分、本当のセンスが鍛えられる。

スーツという服は、もともとそういう世界です。

どこのブランドかは外から分からない。

だからこそ、ごまかしが効かない。

ロゴがないからこそ、着る人自身の感覚や美意識が、そのまま表に出る。

最近「ロゴなし」が選ばれているのは、流行というより、そうした感覚を心地よいと感じる人が増えてきた結果なのかもしれません。

 

別にロゴが派手だっていいんです。

今回ご紹介した「The new luxury bag is indie」の記事ではあくまで価値観が変わり始めているという内容ですので。

堂々とロゴが前面に出ていても洗練されていたり、それ自体を楽しむ着こなしであれば全く問題はない。

うちは上質でありながらシンプルな着こなしをメインとしたスタイルが多いですが、反面どこにもないデザインのスーツも仕立てて楽しんでいます。

だからぜひ唯一無二のど派手なスーツを仕立てにお越しください(笑)

 

 

 

 

スーツと同じように、眼鏡も着替える

何度かブログで書いていますが私は眼鏡が大好きです。

現役だけで10個以上持っていますし、そんな色々買えるほど余裕があるわけでもないのですが去年もたくさん買ってしまいました・・・。

今月も一つ購入し、まだ狙っているものがあります(笑)

眼鏡は顔の印象をガラッと変える力があります。

だから服装に合わせて、状況に合わせて、作りたい印象に合わせて毎回眼鏡を選んでいます。

 

眼鏡ってなんでも無難に合うものが多い反面、本当に似合っていると思える眼鏡をかけている人は意外に少ない。

自分も昔は何個も失敗したのでよく分かりますが、顔の形や大きさ、髪型やパーツによって相性がいいタイプは限られてくる。

お客様でも眼鏡がお似合いの方が多く、私も見るだけで嬉しくなることが多いです。

 

存在感のある眼鏡は印象に残ります。

個性を表現できたりするのも事実です。

ただ、その主張が強すぎると、眼鏡の印象が先に立ってしまうことがあります。

特に仕事で人と会う場面では、眼鏡の印象がそのまま「その人の印象」になることも少なくありません。

少しもったいないな、と思うことがあります。

一方で特別目立つデザインというわけではないのに、なぜかとてもよく似合っている方がいらっしゃいます。

当店のお客様でも多いのですが、バランスが素晴らしくその人全体が落ち着いて、一体化しているように見える。

ひと目でわかるほど眼鏡自体も素晴らしいのに主張しすぎていない。

あとから振り返ると、「話しやすかったな」「感じのいい方だったな」そんな印象だけが、心に残るのです。

 

これってスーツと同じですね。

仕事ではスーツそのものが前に出るのではなく、着ている人の表情や所作、言葉を引き立ててくれることが大事。

上質でシンプルなスーツこそエグゼクティブたちに好まれる。

結果として、その人自身の魅力が自然に伝わる。

いいスーツがそうであるように、いい眼鏡もその場の雰囲気を整えてくれるんです。

ちなみに私は基本コンサバですが、派手な着こなしで遊ぶのも大好きです(笑)


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スーツも眼鏡も「これ一つで全部こなすもの」だとは考えていません。

今日はどんな場所に行くのか。

どんな人と会うのか。

話す立場なのか、聞く立場なのか。

それとも、少し力を抜いて過ごしたい日なのか。

そうした状況や気分に合わせて、スーツを着替えるように眼鏡も選び直す。

それだけで、その場にすっと馴染めることがあります。

 

「今日はこれで行こう」

そう思える一着や一本があると、一日が少しだけ気持ちよく始まる気がします。

スーツも眼鏡も、ぜひその日の居場所に合わせて着替えてみてください。

きっと、雰囲気は自然と整ってくれるはずです。

 

 

 

寒波の中でも頼れるローデンコート

最強寒波継続中。

古民家であるため仕事部屋がとにかく寒い。

日差しがある日中は外の方が暖かく感じるほどですから。

そんな寒い毎日ですがS/S準備の為今週は忙しく、毎日のように外に出ております。

 

仕事で京都に行ったのですが、帰りに二条城の近くにある御金神社へ。

お札を返しまた新たに授かるために寄ることにしました。

平日なのにものすごい行列で驚き。

さすがお金のご利益がある神社だけあり人気です。

ちなみに私はお金も大好きですが、鉱物の神様ということで神棚にお札を祀っています。

鉱物が大好きなので。

20~30分ほど並んでいましたが、小雨もパラパラ振り風が強く恐ろしく寒い。

後に雪もチラチラ降っていたので1~3度くらいだったでしょう。

 

もちろんインナーをしっかり着て、厚手のスーツ、レザーグローブ、カシミヤマフラーで完全防備です。

そしてコートはローデンコート。

一番ヘビーローテで使用する万能コートです。

目付けが540gもあるのですがツイードのように厚みはありません。

それだけ縮絨(圧縮)している、だから風を一切通さない。

外気をシャットアウトし暖かいスーツやニットの保温性を逃がさないので暖かいんです。

透湿性が高いので蒸れにくく、油分が多く密度が高いので軽い小雨や雪であれば問題ありません。

静電気も起きにくく何よりシルエットが美しいです。

小雨、強風、冷気の天候でしたが、身体をがっちり守ってくれましたよ。


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過酷な気候の中でも、ローデンコートはまさに“頼れる相棒”。

その堅牢さと上品さは、単なる防寒具ではなく「日常を支える道具」としての完成度を感じさせます。

最強寒波の続く冬はまだしばらく続きそうですが、こうして信頼できる一着があるだけで、外に出ることが苦ではなくなるものです。

実際に季節に合ったコートやスーツを色々と着たいので外に出ることは楽しみでもあります(笑)

季節がどうであれ、自分のスタイルと仕事を淡々と積み重ねていく──

そんな日々の相棒として、今年もローデンコートにはしっかり働いてもらうつもりです。

 

 

 

MTM LODENCOAT

price : 180000

 

 

インド人が「襟付きシャツ」を着続ける理由

ダイヤモンドオンラインで面白い記事を見つけました。

『ゆるそうなインド人でも必ず「襟付きシャツ」で働く“意外な理由”』というタイトルです。

日本ではスーツ離れが進んでいます。

暑い、堅苦しい、時代に合わない。

そんな理由から、仕事着はどんどんラフになってきました。

確かに日本の夏は厳しい。

湿度も高く、ジャケットやネクタイは負担になります。

クールビズが広まり、「きちんとして見える服」そのものが、少しずつ敬遠されるようになりました。

冬はスーツの中にダウンを着たり見た目なんて何でもいい気にしない。

私個人も無理して着ることはないとアドバイスしていますが“涼しく(暖かく)着る”と“雑に着る”は全く違うものです。

日本より暑い国であるインドでもエリートは身だしなみに気を使い、だらしない格好はしない人が多いんです。

内容をを簡単にまとめてみようと思います。

 

 


暑さなら、インドの方が過酷なのに


日本人がスーツを脱いでいく一方で、インドではホワイトカラーの人たちが今でも必ず襟付きシャツで働いているという話。

インドといえば、40度近い猛暑。

エアコンも十分とは言えず、服装も自由でラフな印象があります。

それでも仕事の場では、襟付きシャツを選びます。

 

 


襟は「立場」を示すためにある

理由はシンプルです。

襟付きシャツは、「私は仕事として、あなたと向き合っています」という無言のメッセージになるからです。

相手への敬意。

自分の役割への自覚。

襟は、それらを一瞬で伝える記号でもあります。

 

 


エリートは「楽」を基準にしない

エリートほど合理的です。

ただし彼らの合理性は、「今が楽かどうか」ではありません。

信頼を得ること。

判断を速くすること。

仕事を円滑に進めること。

そのために、服装という分かりやすい手段を選んでいるだけです。

暑くてもきちんと着るのは、我慢ではなく、仕事のための選択です。

 

 


日本で起きている、静かな変化

日本では、ラフ=先進的 きちんと=古い そんな空気が広がっています。

けれど世界を見れば、責任ある立場にいる人ほど、服装を曖昧にしません。

服は、その人の姿勢を映します。

襟をつけるかどうかは小さな違いですが、積み重なると、大きな印象になります。

 

 


暑くても、ちゃんと着こなすということ

エリートは、暑くてもちゃんと着こなしている。

それは見栄でも、古さでもありません。

自分の立場を理解し、他者と向き合う覚悟がある。

その姿勢が、服に表れているだけなのだと思います。

 

 

別に、毎日無理してスーツを着ろと言いたいわけではありません。

暑い日は暑いし、楽な服を選びたくなるのも自然です。

ただ、「どう見られたいか」「どんな立場でそこに立っているのか」それを一度考えて服を選ぶだけで、装いは少し変わります。

職場の周りも同じようなラフな感じかもしれません。

しかし、ほんの少しでもきちんと着こなしている人はいませんか?

その人は多分他の人たちと違う景色を見ていて、色々な意味での成功に近づいているのだと思います。

 

インドのエリートは、「自分は選ばれた側にいる」という自覚と同時に、「常に見られている」「気を抜いたら終わる」という緊張感を持っています。

服装への意識も、この延長線上にあります。

『日本は「空気」が人を守ってくれる社会』ですが『インドのエリートは「自分は商品」だと知っている』のです。

日本人は本来とても繊細でポテンシャルがすごい。

だから、自分が商品だと気づいたとき、仕事でも高い成果を出せるといわれています。

服はそのスイッチみたいなものなんです。

 

 

アイビー黄金期を纏う!こだわりのオックスフォードシャツが完成しました

ついに最強寒波がやってきました。

しかもしばらく居座る予報。

気象庁が記者会見するレベルなので十分気を付けてください。

昨日もコートにレザーグローブ、マフラーと完全防備でしたが、雪がチラチラ降るなか街を歩く人のほとんどが手袋をしていない。

自分なんて基本寒くなれば手袋必須で常にレザーグローブを持ち歩いていますが本当に暖かいですよ。

逆になくては耐えられない。

ミラノ、ナポリ、ロンドン、パリ、ニューヨークと海外では紳士の基本です。

見た目もエレガントですしこの寒波の中では是非お勧めします。

 

 

 

お客様のシャツが仕上がったのですが、かなりこだわりの詰まったシャツが完成しました。

生地はVINTAGE OXFORD。

最近は繊細なロイヤルオックスばかり見かけるようになりましたが、昔ながらのオックスフォードを再現したかなり太番手な生地です。

私も昔から大好きな生地で着こむたびに味が出ます。

真夏には着れませんが(笑)

 

そしてデザイン細部にもこだわりが。

ヘビーウェイトのオックスに美しいロールのボタンダウン、前立てにポケットとくれば、もうお分かりだと思います。

アイビー黄金期のスタイルです。

今回特に重要なのは芯地にスーパーソフトを採用したところ。

スーパーソフトはとにかく柔らかい芯地です。

表の生地に左右されるのでどのような雰囲気になるかはお楽しみではあるのですが、アイビーのオックスフォードの一番の特徴ではないでしょうか。

使うたびにくたっとした感じになりますが生地はヘビーウェイトなので形は崩れない。

「潰れているのに、ロールは生きている」という独特の表情になる。

新品よりも10回、20回洗った後の“くたっと感”が本番なんです。


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アイビーのオックスフォードは“だらしなくないラフさ”がスタイルです。

“生活の中で自然に馴染んだ服”が美しい。という定義。

洗濯糊など付けず自然なシワを楽しむ。

ゆったりのイメージですがだらしないオーバーサイズはNGで、清潔感を持ち生地の質はよいものを。

気取らないのに品がある。これこそがアイビーの核心です。

 

 

シャツであれば生地が上質でサイズが合っていればかなりきっちりした印象を持つことができます。

しかし、誰も分からなくてもシャツの背景を知りそれを理解して着こなしている人は特にかっこいいんです。

例えばシャツとジーンズというシンプルさなのに何でかっこいいんだろう?と思う着こなしの人がいますが、それは背景を知り背景を理解した着こなしをしているからだと思います。

その他者に気付かれないようなこだわりが、実は雰囲気に出ているのです。

 

実は奥が深いシャツ。

皆さんもこだわりを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

長く好きでいられるアイテムを

先日は新年会?というのは名ばかりのいつもの美味しいものを食べに行く会でした。

いつもの北新地『鮨 一献』さんへ。

 

何度訪れても、やはり別格です。

こちらの大将は、味、接客、内装、細部に至るまで一切の妥協がありません。

鮨はもちろん、一品料理も、お茶ですら「きちんと美味しい」。

その積み重ねが、全体の満足度を決定的に高めているのだと思います。

 

当日は気温も高くコートをやめてカシミヤジャケットで。

結果的にこれで大正解。

暖かく、軽く、そして何より快適。

室内外の温度差がある食事の場でも、まったくストレスを感じません。

 

実はこの「キャメルカラーのカシミヤジャケット」という選択、先日終了したピッティ・ウオモとも、非常に共通点があります。

今回のピッティでも強く感じたのは、

・派手さよりも「素材の良さ」
・主張よりも「品のある色」
・トレンドよりも「長く着られる完成度」

この流れが、ますます明確になっているということです。

実際にキャメルのコートも多かった。

キャメルという色は不思議なもので、黒ほど強くなく、ネイビーほど堅くない。

それでいて、大人の余裕と温度感を自然に演出してくれます。

そこにカシミヤという素材が加わると、見た目の柔らかさだけでなく、着た瞬間の軽さ、暖かさ、そして静かな高級感が生まれる。

これはまさに、「分かる人にだけ分かればいい」という、今回のピッティの空気感と重なります。

鮨も、服も、手間を惜しまないこと。

そして、何年経っても変わらず好きでいられること。

北新地のカウンターで感じた心地よさと、フィレンツェで共有されていた価値観は、実は同じところにあるのかもしれません(笑)


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流行を追いかけるのもいいですが、自分が「心地いい」と感じるものを選び続けたいと思います。

その基準は案外シンプルで、着ていて疲れないこと。

場の空気を邪魔しないこと。

そして、何度袖を通しても気分がいいこと。

キャメルカラーのカシミヤジャケットは、そんな大人のわがままを、実にさりげなく満たしてくれますよ。

 

 

 

グレー × シャークスキン

イタリアのフィレンツェでちょうどピッティウオモが開催されていますね。

たくさんの業界人がピッティの写真をアップしています。

私はそれほどブランドに興味がないのですが、やはりおしゃれな人の着こなしを見るのは楽しい。

ダウンもいますがウールやカシミヤのコートが溢れていてもう街そのものがかっこいい。

スーパーエレガント。

これこそダンディズムです。

外見の洗練を通して、内面の自由と美意識を貫く。

日本人のウェルドレッサーは世界的にも高評価でおしゃれで有名。

日本人はやると決めたら徹底的にやるので世界でもトップクラスの感性。

ただ、オシャレじゃない人との差もかなりありますが。

 

 

 

 

 

完成したお客様のスーツ。

グレーのシャークスキン。

もうグレーでシャークスキンといったら鉄板ですよね。

“サメの肌が光を反射するように見える”と形容されたことが名前の由来です。

ギザギザした織りで経糸と緯糸の濃淡差による微細な光沢が特徴です。

 

戦後アメリカで爆発的に流行し、1950〜60年代アメリカで“クールの象徴”でした。

特にラスベガスのショーやカジノでは、“シャークスキン=夜の華やかさ”というイメージで大人気だったんです。

『オーシャンズ11』(1960)フランク・シナトラ率いる“ラットパック”が着ていたのがまさにグレーのシャークスキンで、これも人気に火をつける要因に。

 

逆に英国では控えめな光沢が知的で落ち着いて見える上質なビジネス生地として“銀行員の生地”として愛されました。

つまり華やかでも堅実でもどちらでも着こなせるという万能の生地なんです。

ネイビーだと濃淡が出にくいので、グレーの象徴的な織りとして人気を博しています。


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個人的にはライト~ミディアムのシャークスキンが好きで私が持っているのもそう。

落ち着きつつも軽やかなイメージが好印象です。

定番である生地なので手に入れやすいですし、新しく新調するスーツにぜひいかがでしょうか。

 

 

 

 

坂本龍一の装いは、生き方そのものだった

世界を代表するアーティストやプロデューサーとしてだけでなく、人として尊敬を集めた坂本龍一氏。

私も才能だけでなく思想を含め尊敬しておりますが、彼は服装や身だしなみに関しても自身の哲学を持っていました。

先日、たまたま坂本龍一氏の特集を見たこともあり、少し彼の服に対する考えを書いてみようと思います。

 

 

坂本龍一を思い浮かべたとき、強烈な色や奇抜な装いを思い出す人は少ないと思います。

シンプルですがクールで洗練されている感じ。

彼の服装はいつも静かで、控えめで、どこか背景に溶け込んでいました。

見た瞬間に「なんて、かっこいいのだろう」と雰囲気から入り込んできます。

 

◎彼は“ファッション”という言葉をほとんど使わなかった

坂本龍一が語っていたのは、服の流行ではなく、

  • 空間との調和

  • 身体と音の関係

  • 情報量のコントロール

でした。

彼はインタビューで、趣旨としてこんなことを言っています。

余計な情報が多いと、音も濁る
服も同じで、主張しすぎるとノイズになる

服=空間の一部という感覚です。

 

◎重さがあると思考が安定する

坂本龍一氏は必ずしもビスポークを選んでいたわけではありませんが、シルエットや動いた時の布の挙動、そして重さを非常によく気にしていました。

特に有名なのが、

軽すぎる服は落ち着かない
重さがあると、思考が安定する

という趣旨の発言。

これは良いスーツの「布の重みが人を静かにする」というテーラーの感覚とかなり近いです。

 

◎ 「主張しない=存在感が消える」ではない

坂本龍一の服は目立ちませんが、彼の佇まいは強烈です。

理由は簡単で、服が身体を邪魔をせず長く着られる形だけを選んでいるから。

服が人格の邪魔をしないこれを徹底していました。

これは私たちテーラーの中でも同じ感覚を持つ人が多く、最高の普通を探す旅の考えに近いと思います。

 

◎環境意識

晩年の坂本龍一は、環境問題にも深く関わりました。

その影響で、流行消費への距離、長く使えるものへの意識がとても明確でした。

ファストファッションを使い捨てのように買う人と上質なものをケアしながら大切に着る人は根本にある意識が全く違います。

つまり人生・生活のすべてに影響してきます。

その人の着こなしを見れば大体どのような人かが分かる。これは紛れもない事実です。

 

 

坂本龍一の服装は、写真を見ても極端に地味です。

グレーや黒、ネイビーが極端に多い。

シルエットも細すぎず太すぎずゆとりも適度でありデザインもシンプル。

しかし、その佇まいは非常にエレガントで品があります。

その雰囲気こそ彼の思想そのものでしょう。

 

坂本龍一の服は、誰かに見せるためのものではなかったと思います。

ただ、自分がどう在りたいか、どう生きたいかを静かに支えるためのものでした。

装いで思想が伝わる。

その在り方は、音楽でも、服でも、そして人生そのものでも一貫していたように思います。

私たちテーラーの仕事も、実はとても似ています。

坂本龍一の装いが今もなお美しく見えるのは、それが流行ではなく、思想から生まれていたからでしょう。

そしてそれは、時代が変わっても色褪せない「本質」なのだと思います。

 

地味に着ろと言っているわけではありません。

自分の思想を表現した、また自分がなりたい人物になれるような服を選びたいということ。

内面が外見に表れ、外見は内面に影響を与えます。

安いから着る、めんどくさいからこれでいい。そう思うならそれ自体否定はしませんが知らずに損をしているかもしれませんよ。

良くも悪くも必ず人生に影響を与えているはずですから。