チャーチルが三つ揃えを脱がなかった理由

先日3ピースのスーツをオーダーいただきましたが、そちらのお客様は常に3ピース。

必ずベストを着用いたします。

そういえば私の友人が世界的に有名な外資系企業に勤めているのですが、当時の上司が常にベストを着用していると言っていました。

ベスト1枚で様になりますし温度調節もしやすい。

威厳も出て自分を印象付けることができ覚えてもらいやすなどメリットばかりです。

そういえば希代のウェルドレッサーと称された英国が誇る伊達男であるウィンストン・チャーチルもいつも3ピースでしたよね。

彼がなぜ三つ揃えを着続けたのか書いてみようと思います。

 

 

 

第二次世界大戦中、英国首相として国を率いたウィンストン・チャーチル。

常に葉巻をくわえ、ハットを被り、三つ揃えのスーツを着こなす姿は今もなお記憶に残る英国紳士の象徴です。

なぜ彼は「三つ揃え」、ジャケット・ベスト・トラウザーズの3点セットを好んだのでしょうか?

まず、三つ揃えには「威厳」があります。

特にベストはジャケットを脱いだときも胸元を隠し着崩れを防ぎます。

どんな場面でも“きちんとした”印象を崩さない、まさに国家を背負う男の制服です。

 

当時はラジオが主な情報源だった時代です。

聴衆には彼の姿は見えません。

しかしチャーチルは「見えなくても服装を整えるべきだ」と語っています。

これこそが、装いは自分のためであり同時に他者への敬意であるという英国流の信念だといわれています。

 

また、三つ揃えは当然防寒性にも優れます。

ロンドンの冬は寒く湿気も多い。

ベストが一枚入ることで体温調節がしやすく室内でもスマートに見える。

実用性とエレガンスが両立した、合理的な選択だったのです。

 

もうひとつ忘れてはならないのは、彼の「反骨精神」について。

当時、戦時下でラフな服装が増える中、チャーチルはむしろクラシックを貫きました。

「乱世だからこそ、美意識を失ってはならない」

その思想が、スーツ一着にも宿っていました。

 

三つ揃えは彼の政治哲学、時代背景、そして英国的美意識が凝縮されています。

ファッションとはただの飾りではなく、着る人の精神を表す「第二の言葉」です。

チャーチルの三つ揃えには、リーダーとしての品格、時代への挑戦、そして英国紳士の誇りが込められていたのです。

 

 

今もクールビズという名のもとに身だしなみを気にしないビジネスマンが増えたと思います。

涼しい着こなしをすることには賛成ですが、暑いから。どうせ汚れるから。といい加減な格好をするというのはどうなのでしょうか?

チャーチルの「乱世だからこそ、美意識を失ってはならない」という言葉。

彼には「見た目は内面の延長であり、装いこそが秩序である」という強烈な信念がありました。

現代はカジュアル化が進み、マナー違反やモラルの低下が増えたという声が大きいです。

“装いの美意識”が消えてしまうと、場の空気や人間関係にも無意識の影響が出てしまうという彼の思想。

“国家の威厳も、リーダーの信頼も、第一印象から崩れる。”というチャーチルの考えは今現代にも当てはまるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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