装いに見える風格

昨日は東京に転勤されたお客様からのご予約があり、大阪に出張したついでにとたくさんのオーダーをくださいました。

いつも本当にありがとうございます!

新大阪駅近くに部屋を借りての採寸です。

今まで何度もオーダーいただいておりますので流れはスムーズ、「前回と同じ」で通じてしまうほどでシャツに関しては本気を出せば3分もかからないです(笑)

もちろん今までの積み重ねがあってこそですが、日本や海外のサルトに生地、ブランドなど知識がプロ並みなので専門的な意見を交換でき、とても楽しい時間を過ごさせていただいております。

そのお客様の着こなしがとにかく洗練されています。

シンプルな着こなしでありながら、一目見た瞬間に確かな存在感を感じさせられます。

 

今回時間のないなか、少しだけ写真を撮らせていただきました。

スーツはHARISSONSの3大名作生地のひとつといわれるPremier Cruで、滲み出る上質感に包み込まれているかのように感じられます。

トップメゾンが使用するカシミヤをブレンドしたアルスターコートも羽織るだけでエグゼクティブな印象。

華やかさのあるネクタイは差し色となり、正統派ドレススタイルにはチーフも絶対に欠かせません。

コートを着用の際にはネクタイが隠れる代わりにグリーンのカシミアマフラーが差し色となり、重苦しくなりがちな冬スタイルに彩を添えてくれます。

もちろんシャツも靴も鞄も靴下もすべて上質でどれもきれいにケアされています。

 

コンサバな装いで一目置かれるほどの存在感を出すには、アイテムの上質さのみを前面に出すわけでなくサイズを含めてバランスが取れ、アイテム同士が調和し高めあっているからこそだと思います。

煌びやかな貴族の時代に地味な着こなしでありながら希代のファッショニスタといわれたボー・ブランメルが求めた、「シンプルな着こなしの中にこそ最高のエレガンスは宿る」という信念は紳士服の本質だと思います。


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シンプルな着こなしで最高のエレガンスを表現するのはこれがまた難しい。

スーツやコート、ネクタイといった装いは、ただの布の組み合わせではなく、それはその人がこれまで積み重ねてきた経験、価値観、そして生き方を映し出すものだといわれています。

上質な服を身にまとうことは単なる贅沢ではなく、自分自身をどう見せるか、どうありたいかを表現する手段でもあります。

一流のエグゼクティブは流行に流されない。

シンプルでありながら洗練されたスタイルを貫くことで、その人の確固たる美意識がにじみ出ます。

かの落合正勝氏も「積み重ねの風格」は一朝一夕で手に入るものではなく若い頃から上質なものを知り、選び、そして着こなすことで、自然と体に馴染んでいくと説いています。

そして、年齢を重ねるごとにそれが自分の一部となり、言葉を発せずとも「品格」が伝わるようになるのだと。

本物を知る人の装いは決して華美ではありませんが、それでいて一目で違いが分かります。

シンプルだからこそ際立つ「風格」。

積み重ねの経験値であり、その人によせられる信頼の値でもあります。