友人からいいネクタイはないか?という連絡が来たのですが、中々条件に合い提案できるものが少ない。
オーダーネクタイもやってはいるのですが、ぴったりとセンスにはまる生地がないんですね。
オーダーだけでなく展示会の時に心躍らせながらサンプルを見ていても見つからない。
正直どんなネクタイでもネイビー、グレー、ブラウンのスーツさえあればきれいに合わせることは可能だと思っています。
が、だからといって適当に集めるのには抵抗を感じます。
風合い、色、デザイン、織り、ほんの少しの違いで印象は大きく変わるので。
いつかは見つかると思うので焦らずのんびり探していきます。
先日締めていたのはAlbeni1905のシンプルなグレーのネクタイ。
Albeniはミラノ近郊のガッララーテで創業しタイ用芯地類のトップメーカーとして名を馳せていましたが、現在は最高級の芯地と生地を使ってハンドメイドの高級ネクタイなどを生産しています。
無地といえば無地なのですが、実際はピンヘッドなので奥行きがあり深い色合いでお気に入りです。
グレーのネクタイって定番であり普遍でありながらどこか特別なイメージがある気がします。
派手さもなく、威圧感もなく、それでいて控えめすぎるわけでもない。
決して単なる中間色ではなく様々な要素も併せ持ちながら、どちらにも偏らない。
だからこそ、どんな装いにも自然に溶け込みながら、微妙なニュアンスを醸し出す気がします。
たとえば、エレガントやクールな印象を演出するなら、ブルー系のスーツに合わせたシルバーグレーのネクタイが有効で、知的で洗練された雰囲気を漂わせます。
一方、チャコールグレーに少しブラウンが混ざったようなトーンであれば温かみのある装いに。
どちらに寄っても落ち着きや大人の印象を与えてくれます。
究極のバランス感覚がグレーの持つ最大の魅力なのかもしれません。
ネクタイは印象操作に使われることは周知の事実です。
アメリカ大統領の話は有名で、オバマ元大統領は若々しく誠実感のある頼れるリーダー像として青のネクタイを好んでいました。
逆にトランプ大統領は強いアメリカを象徴するようにパワータイといわれる赤のネクタイを好んで締めています。
このネクタイは特注品でサイズもきちんと考えられていて専門家が付いているといわれています。
できるビジネスマンはネクタイを状況によって使い分けますが、グレーはどのような印象でしょうか。
色の濃さにもよりますが、心理的には冷静さや落ち着きを感じさせる色であり、身につける人に「知的」「バランス感覚がある」「穏やか」という印象を与えます。
「冷静さと信頼感を演出したいとき」「ニュートラルな立場を示したいとき」「格式を求められるが、過度なフォーマル感を避けたいとき」などに締めるのもおすすめかもしれません。
グレーは“控えめ”な色と思われがちですが、実は「無駄を削ぎ落とした美意識の極み」なのかもしれませんね。