オリバー・バークマン著の「限りある時間の使い方」という本の中に面白い内容のものがありました。
紀伊山地の凍てつくほどの極寒の中、真言宗の僧侶になる為に修行に打ち込んでいたアメリカ人の話。
床の水はすぐに凍るほどの寒さの中頭から冷水を被り、持っているタオルもすぐに凍りその凍ったタオルで体を拭くのですが肉体的に大きな苦痛を感じます。
苦痛を感じるたびに意識を他にそらせて痛みや感覚を消そうとしていたのですがそれが大きな誤解だったことに気づきます。
むしろ意識を冷水に集中させ、強烈な冷たさを全力で感じた方が苦痛が軽減されることを悟ったそうです。
仕事でも同じで気が乗らない場合すぐスマホを弄ってしまったりさぼったりすることがありますが、むしろ嫌な仕事をきちんと認識して意識を向ける方が集中でき仕事もはかどり精神的にも達成感を感じられます。
他のどんな嫌なことも逃げれば逃げるほど不快感や辛さが増し、正面から向かい合った方が苦痛が軽減されるということなんですね。
今のこの暑さも同じで、意図的に汗をかきたい人にとっては苦痛は少ないはず。
麻素材が大好きで夏は毎日のように着ていますが、風が通ったときや気化熱で汗がすぐ乾いた時はとても快適で素材の素晴らしさを感じます。
しかし、何を着ても暑いのは暑いわけですからそのような部分に意識を向けられない人は何を着ても暑い・不快としか思えず夏が辛いだけに感じてしまうのだと思います。
こんな暑さの時に間違っても着ろとは言いませんが面白い生地を見つけました。
取引先に伺っていたときに発見したHARRISONSのバンチのひとつUNIVERSAL。
色々な種類があり465gの人気が高いですが最も重い生地はなんと目付580g。
スーティングファブリックの中では中々お目にかかれない重さ。
これぞヘビーウェイト。
まさにスーパーヘビー級チャンピオンです。
直径約22ミクロンの太い原毛を使用。
元々はLEAR BROWNE & DUNSFORDで展開されてきたファンの多い名作生地ですが、ブランドを統一させるためにHARRISONSとして生まれ変わりました。
歴史のある昔ながらのクラシカルなスーツを仕立たいのであればかなりおすすめの生地です。
触って見て思ったのがこれだけの目付でありながら想像より柔らかくしなやか。
もちろんコシはしっかりとあります。
間違いなく仕立て映えし10年後もポテンシャルが引き出されている素晴らしいスーツになることを確信しました。
重厚さを求めるオーセンティックなクラシカルスーツをお求めであればOYSTERかUNIVERSALになるのではないでしょうか。
通が好む本物の生地ですね。