来週はかなり気温が下がる予報です。
最高気温は15度ほどで最低気温は5度を下回る日もあります。
一気に冷え込む上に温度差が激しいので体調管理には十分気を付けてください。
もうコートも用意しておいたほうがいいですね。
普通なら3ピースのフランネルであれば12月末でもコート無しで過ごせたのですが今年は厳しそう。
一般のアパレル企業ではここまで寒くなることを予想しておらず冬服の発注をしていなかったらしく、未だに冬用の衣類がお店に並んでないところもあるそうです。
毎年買い替える人は大変でしょうが、上質なオーダーは一生物が多く常にクローゼットにスタンバっていますので槍でも寒波でもかかってこいです(笑)
お客様のコートが到着です。
MTRのPure Cashmereを使用したBespoke仕立てのコート。
やはりカシミヤはキャメルカラーが美しい。
紳士であれば1着は用意しておきたいコートです。
お客様と相談を重ね圧倒的にエレガントな雰囲気に仕上げました。
釦を外した時にいかに美しく魅せることができるかを追求。
衿からの美しいフロントラインを完成させました。
他のコートでは見かけることがないシルエットだと思います。
様々なテーラーやブランドのコートを見てきてラペルの返りが辛いものが多くどう見てもカッコよく見えない。
南イタリアでは返りが甘い仕立てが多く、それが非常に美しく優雅な雰囲気に魅せてくれます。
しかしシングルならともかく、ダブルで甘くバランスよく作るというのは至難の業だと思いますしほとんど見かけたこともない。
ステッチの関係なども出てきますし、既成概念を覆さないとたどり着けない領域なのだと感じています。
そう考えると一流デザイナーってすごいなぁって思いますよね。
当社のBespokeラインでは、誰もが知るナポリの一流サルトに師事した職人が立ちあげた工房で、現在も本人が現場に立ち縫製に関わりナポリ仕込みの技術で仕上げられています。
アイロンワークを駆使し立体的に仕上げ、ハンドメイドのカットや縫製で曲線美を作る。
本物は雰囲気に表れます。
もちろんフロントボタンを留めればクラシックで威厳がある着こなしができますよ。
実はこちらのコートは南イタリアにある超絶な技術を持つサルトを参考に仕立てたもの。
当然写真で見ただけでは縫製が分かるはずもなく、そもそも今までもどの工場、職人に頼んでも中々作れなかったものでしたが、試行錯誤のうえ納得の1着ができました。
ちなみに南イタリアのそのサルトで仕立てると大体70万円以上はしますが、当店ですと仮縫い無しであれば20万前後~お仕立ていただけます。
軽くて暖かいダウンがもてはやされることは全然いいと思います。
理にかなっていますし私だって持っています。
たかがコート、されどコート。
しかし、長年の技術を培った職人やフィッター、そしてお客様の思いが詰まった1着は、ただの防寒具では語りきれない想いと技術の蓄積があります。
大量生産の技術が発展し、どんなに時代が移ろっても、人の心を動かすのは目に見えない“背景”を纏ったものではないでしょうか。
だからこそ、そんな製品には大量生産品にはない一目でわかる圧倒的なオーラを感じる。
職人の手が重ねた時間と、美しさを追い求める執念、そして「こうありたい」という着る人の願いが縫い込まれている1着は、人生や意識すら変える力があると思います。