春スーツの出番到来!春におすすめブラウンスーツ

春本番の陽気で今日はとても過ごしやすかったですね。

ツーリングに行きたい病が発症しそうです。

江坂公園を通ったのですがこちらもほぼ満開の桜でたくさんの人がお花見を楽しんでいました。

私も来週お花見に行こうと思ってたのですがちょっと間に合わないか。

次の休みは春を感じられるパステルカラーのファッションを楽しもうかなと思ってます。

 

 

もう完全に冬物は衣替えで春物にチェンジです。

今日は春らしいブラウンスーツにしました。

心も一緒に軽やかになります。

ブラウンといっても濃いこげ茶。

ブラウンって秋のイメージが強いかもしれませんが、濃いブラウンは実は春にかなり映えるんです。

春の柔らかい光では濃い茶色は深みではなく艶として出てきます。

冬の低い光ではこげ茶は重く沈みがちですが、春の光は柔らかく拡散するため、こげ茶の中にある 赤み・黄み・温度感 がふわっと浮き上がるからです。

ブラウンは自然界の色として溶け込みつつ都会的な深みもあり、黒より柔らかく、ネイビーより個性があり、グレーより色気があるとてもおすすめのスーツに仕上がります。


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今回はスーツですが、春の定番カラー(ベージュ・生成り・サックス)と相性が抜群なのでカジュアルな着こなしの幅もとても広くて使いやすいです。

こげ茶はその淡色を引き締めつつ柔らかく受け止めてくれます。

春の色を“邪魔しないのに格上げしてくれる。

春のブラウンは「軽い素材」と組むと一気に季節感が出るので、大人の着こなしとしてぜひ取り入れたいカラーですね。

 

 

 

 

 

上質なブルゾンなんていかがでしょうか?

知り合いのテーラーさんが今月でお店を閉められるそうです。

長い間お疲れ様でした。

少し年上の女性テーラーさんなのですが、私も色々お世話になり、この業界では珍しく?(笑)常識がありマナーに精通し心優しい本当に信頼できる方でした。

羅紗屋やテーラーだけでなく超一流ブランドに勤めた経歴もあり、オシャレで若々しく凛とした姿はモデルのようでかっこよかった。

しかもご自身でパターンも引ける才色兼備ぶり。

移り変わりの激しい今の時代、そんな方がいる本当のお店がまたひとつなくなってしまうのはとても残念ですね。

本物を好まれる方というのは本質を見ようとする方が多いと思います。

ブランド名だけや周りが買っているからという理由ではなく、自分で何がいいかを考えられれば人生はとても充実したものになるのだと思います。

 

 

 

 

 

先日ブログでも書いたオーダースウィングトップ(ハリントンジャケット)の製作を進めているのですが結構大変な作業です。

オーダーシートを完成させるのに6時間くらいかかりました※本縫いの時さらに追加でかかります

今回はシート4枚分です。

普通のパターンオーダーであれば、採寸時にオーダーシートに記入していって、あとで改めて抜けはないか、サイズは間違ってないかなどを確認するだけで終わります。

しかしうちのBespokeラインは型紙を1から作るので、私がその都度データや画像を作成し細かく指示を出します。

以前オーダーいただいたお客様であれば型紙を残していますが、大体生地によってもいじったり調整したりデザインを変えるので毎回指示書を新たに作成します※ちなみにMTMでもSPiCAオリジナルのシルエットやデザイン調整の場合は時間をかけて指示書を作っています。

前回と同じものを作っても若干違う雰囲気で仕上がる場合もあります。

まぁ、サイズは一緒ですしほとんどのお客様は気づかないかもしれませんが(笑)

でもそれがいいと思いませんか?

南イタリアなどの最高峰のサルトなどもそんな感じです。

職人の手作業というのはそういうところに表れる。

大量生産品のすべて同じ感じ、ピシッと直線的でコピー品のような正確さで作ることができる。

それ自体は凄いことで日本人の正確さ生真面目さが出ていて評価される部分ではありますが、熟練の職人が作る工芸品や上質な木材を使用した高級家具をみてもやはり一つ一つそれぞれの顔があるような気がします。

職人の手が入ったものには、作り手の呼吸や判断がそのまま刻まれていて、同じ型でもどこかしら表情が違う。

その“揺らぎ”こそが、工業製品にはない温度であり、長く愛される理由なのだと思います。

そのような製品をたくさん作っていきたいですね。


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人気のスウィングトップですが、個人的にはセットインのブルゾンもおすすめです。

生地はカシミヤがいいですが、フラノやツイードも捨てがたい。

春から秋にかけては上質なコットンですね。

ラグランスリーブはかなり動きやすいですがカジュアル感が出てしまいます。

セットインにすれば一気に上品になり、上品な大人カジュアルな高級ブルゾンに。

前はジッパーなので上までしめればテーラードジャケットに比べ胸元も寒くありません。

自転車などに乗るときにも重宝しそう。

パンツはデニムでもスラックスでもチノでもなんでも合わせることができる。

ENRICO MANDELLIのブルゾンとかかっこいいんですよ。

40万~70万とかしますがうちなら半額くらいで作れます。

スウィングトップもバラクータではなくエレガクータとでもしときましょうか(笑)

 

 

 

 

「ミシンは誰でも踏める。だがアイロンは職人しかできない」

侍ジャパン負けてしまいました。

相手もメジャーを代表する選手を多数有する世界トップクラスのベネズエラですし1試合勝負なので仕方ないこと。

日本も調子が上がらない選手が多かったですし。

しかしまた次があります。

リベンジを期待します。

次はテレビでみたいなぁ。

 

 

 

スーツ作りにおいて、多くの人は「縫製技術」に注目することが多いです。

しかしナポリの仕立て職人たちは、口を揃えてこう言います。

「ミシンよりもアイロンが重要だ」と。

SPiCAのBespoke(Handmade line)を指揮しているマスターカッターもアイロンワークを特に重要視しています。

なぜなら、スーツの美しい立体感は“縫うこと”ではなく“形を作ること”から生まれるからです。

 

 

布は平面ですが、人間の身体は立体です。

胸の丸み、背中のカーブ、肩の傾斜。

これらを自然に包み込むためには、生地にわずかなクセをつけていく必要があります。

その作業こそがアイロンワークです。

何度もブログで説明していますが、スーツに詳しくない人は奇抜なデザインでも簡単に仕立てられると思っています。

工作のように型紙通りに切って縫って終わりだと勘違いしています。

極論で言えばスーツの曲線はすべてアイロンワークが必要です。

蒸気と熱を使い、生地を伸ばす場所と縮める場所を細かく調整することで、平らな布はゆっくりと人体に沿う立体へと変わっていきます。

ナポリの名職人たちは、この工程をまるで彫刻のように行います。

伝説的なマエストロ、アントニオ・パニコはフリーハンドカッティングが代名詞だと思われていますが、実はアイロンワークが天才的で「アイロンの魔術師」と呼ばれ、この技術の精度が群を抜いていたからこそあのすごいスーツが仕立てられたといわれています。

彼のジャケットは軽く柔らかいのに、着ると自然に体に吸い付く。

その秘密は、見えない場所で積み重ねられた繊細なアイロンワークにあります。

ナポリ仕立ての本質とは、糸で縫う前に、熱と蒸気で生地に命を吹き込むことなのだと思います。

 

実は高級スーツほど「縫う前に形ができている」と言われます。

つまり、安い服 → 縫って形を作る、高級仕立て アイロンで形を作ってから縫う、というイメージでしょうか。

ナポリではよくこう言われます。

「ミシンは誰でも踏める。だがアイロンは職人しかできない」

だからアントニオ・パニコのようなマエストロは「アイロンの魔術師」と呼ばれ、当店の職人もアイロンワークを一番重要視し自らアイロンを持つわけです。

 

そういえばパニコがよく使用していた生地のW.Billのシェットランドツイードの、しかもパニコが選んだのと同じ柄のツイードジャケットの生地が1着分のみ在庫ストックにありました。

アイロンがよく効くんですよ。

ブログ読んでいる方だけにBespoke仕立てを特別価格にご提供します。

ただし、かなり攻めたダブルジャケットのみ(笑)

かっこいいジジイになる為にはジャケットを極めてこそです。

 

 

 

 

 

伝説のマエストロ “アントニオ・パニコ”

お客様からご連絡をいただいてアントニオ・パニコがご逝去されたことを知りました。

ナポリ仕立ての原型を築いたとされる伝説的サルト・ヴィンチェンツォ・アットリーニ直系の技術を受け継いだ最後の世代であり、伝説のロンドンハウスのヘッドカッターとして20年以上活躍し、ナポリ仕立ての黄金期を作った中心人物です。

間違いなく世界最高峰であり、ナポリでは頂点との評価を受けていました。

パニコのスーツは「クラシックを追求し時代を超える色気が生まれる。」といわれます。

私もその『色気』をかなり大事にしているんですが、俗にいうファッション的なものではなく(シャツを胸まではだけたり派手な服を着るような)落ち着いた雰囲気や余裕のある立ち居振る舞い、知性などが外見だけでなく内面から醸し出される大人の雰囲気のことです。

雨降らし袖、首に吸い付く上襟、腰を包み込む裾のカーブなども別格といわれています。

そしてパニコの代名詞といえば、型紙に頼らないフリーハンド・カッティングです。

サイズを測ったら、型紙を使わず体を見てその場で布に直接チョークを入れるという超絶技法。

立体の“彫刻”に近いアプローチです。

これが唯一無二のフィット感と色気を生むといわれています。

 

私には想像もできない唯一無二の技術ですが、分かる気がするんです。

とあるイタリアスーツを学んだ日本を代表する職人が、高級パターンオーダーの制作の為に少数精鋭の国内屈指の工房に依頼しましたがどうも思った雰囲気が出ない。

日本人の熟練の職人はあまりにきっちりしすぎていて、数値ピッタリにこだわり直線も完璧に仕上げようとします。

正確無比なスーツではイタリアらしい雰囲気は出ないんです。逆に不自然に感じてしまう。

それがきっちりとした日本人の昔からの考え方だから間違っているわけではないんです。

しかし、自然界に本当の直線などはなく、ナポリ仕立てで重視される曲線こそ自然な雰囲気を醸し出し私たちに美しさを感じさせてくれるんだと思います。

 

 

残念ながら私自身は実際にパニコの服を手にしたことがありません。

しかし写真を見るだけでも大体の雰囲気はつかめますが、それだけでもとても素晴らしいスーツだと思っていました。

世界的に有名なフィレンツェやナポリ、あるいは日本のトップレベルと称される職人のスーツを実際に手にし着てみてもそこまで魅力を感じませんでしたが、パニコのスーツは雰囲気が好きでしたね。

また昔の職人って作るスーツは美しくても本人の着こなしはダサい(笑)人が多いのですが、パニコは着こなしも洗練されていて、優しさを感じるクラシックなイメージで好きだったんですよ。

本当にかっこよかった。

トランクショーなどで日本に来ることがあったら一度お会いしてみたかったです。

 

近年でもチャルディ、ダルクオーレ、セクストン、そしてパニコ。

最高峰の職人たちの時代が終わりを迎えようとしています。

継承され子の世代に受け継がれていますが、今は効率の時代で伝説級の技術を持つ人は少ないといわれています。

もうそのうち昔の色気をまとうスーツを着ることができなくなるかもしれませんね。

 

 

 

 

着こなしとセンス

先週は東京出張でした。

駅で椅子に座っていると目の前の席に、ネイビージャケットにホワイトパンツ、ネイビーの高級靴を履いた50代くらいのイケオジが。

さりげなくチェックしていると隣の席に同年代くらいのいい感じのツイードのグレーコートにグレースーツのビジネスマンが。

大阪ではあまり見かけない感じだったのですぐに目がいきましたが、やはり東京の方がドレススタイルに気をつかう人の遭遇率が高いのでしょうか。

おしゃれな人を見ると嬉しい気分になります。

 

 

そのあとお客様と合流したのですが、着こなしが素晴らしい。

完全なバランスです。

テンションが上がります。

チェックのツイードジャケットにかなり明るいベージュのカバートのパンツ。

コートはカシミヤのキャメル、高級英国靴はスエードとカーフのコンビ。

洗練されていました。

 

ジャケットとパンツの選び方がかなり高難度。

実際オーダーでこの生地を選ぶ方は少ないでしょう。

バンチの小さな生地だけを見れば、ブラウン2色使いの大柄チェックにかなりざっくりした織りは昔のおじいちゃんが来ていたジャケットのよう(笑)

しかし実際に仕上がると威厳があり一生着れる万能で間違いのないジャケットです。

そしてドレス系の生地でライトベージュのパンツは合わせるアイテムがないと中々難しいんです。

 

さらに同系統の色でありながら素材感と濃淡のグラデーションでまとまりつつ単調にならないネクタイ選びと、アクセントのチーフの存在感がさすが。

それが完璧にマッチしている。

完成形のスタイルのひとつです。


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目の前にある生地の完成形をイメージしいかに持っているアイテムと頭の中で組み合わせられるか。

これはもうセンスです。

何度も経験してたくさん着ることで経験値が積み重なった結果だと思います。

 

昔からよくある話なんですが、例えば着こなしの経験値が高い人と全く服に興味がない人に、まったく同じアイテムでサイズも間違いない服を着せてみる。

今までまともに服を選んだことがない人はどこか不自然さを感じます。

ちぐはぐしているような違和感を感じてしまう。

サイズも着こなしも合っているのに。

心の余裕と随所に表れる所作だと考えていますが、これは経験を積んで身につけるしかないないもの。

このレベルに達すると派手なアイテムを取り入れても普通に着こなせるんですよね。

 

多くの人は服なんて嗜好品で道楽といいます。

服によってはそうでしょう。

興味がない人やただブランドを着ればいいだけの人にとっては。

でも完成された着こなしのレベルまで行く人は意識がそもそも違います。

人生が変わる人も多い。

ただの道楽だとまったく身だしなみを気にしない人には、理解できず一生知ることのない世界です。

高いものを着ればいいわけではない、なぜそれを選びそれを着るのか。

意識がすべて。

成長や周りとの違いが見える幸せが多く楽しいです。

 

 

 

 

メンテにかける手間が責任を持つ姿勢を鍛える

欲しいものはたくさんあるのですが、最近は眼鏡の他に腕時計ばかり見ています。

コレクションではなくたくさん使いたいという気持ちがあるので数はいらないのですが、やはり服装に合う時計や気分を変える分くらいは持っておきたいなと。

昔からの憧れはカルティエのサントス デュモン(限定)。

希少で手に入らずそもそも高額で簡単には買えませんが。

あとはジャガールクルトとIWCが欲しかったですね。

ごつい時計は苦手なので薄く小さめでエレガントな時計を好んでいます。

 

でも高級時計の価格は青天井、値上がり方も半端ありません。

正直ブランドにこだわらず安くても高級感があって信用できるメーカーならいいんです。

シチズンなんてクオーツの制度は世界屈指ですしカシオなんてビルゲイツやセリーナ・ウィリアムズ選手、オバマ元大統領をはじめ世界中のセレブが愛用していますから。

調べ始めると自分が知らないだけでオシャレでかっこいい時計が本当にたくさんある。

10万以下でも全然惹かれるものだらけでした。

 

 

しかし、実際時計をする人は減っています。

普段時計をする人は44%くらいらしいです。

特に若者がそうでスマートフォンを見ればいい。必要性を感じない。という回答が多い。

逆に高級時計は売れていて、ステータス、コレクション、価値への回帰。という需要があります。

 

 

腕時計について中々面白いことを言っている動画があってちょっとご紹介したいと思います。

 

否定派は「ストップウォッチ機能なんていつ使う?」「時間ならスマホを見ればいい」「300mなんて潜らないよ」etc合理的のみ見ている。

しかし、時計とは「工芸品を身につける」という文化的価値、時計を見ながら時間を忘れる癒し、時間を管理するというビジネスでの敬意etc時計の持つ価値が実用性だけではないことにあります。

そして動画の中で言っていた一番納得したことば。

 

「メンテにかける手間が責任を持つ姿勢を鍛える」

 

これは激しく同意します。

私もこの仕事を長年続けてきて、本当にオシャレで本当に信用できる人は自らの持ち物をケアできている。という現実を目の当たりにしてきました。

スーツはブラッシングされている、靴は磨かれている、眼鏡や靴下などにも気を付けられている。

ただブランド物をただ買って終わりではなく、キチっとメンテナンスやケアをしている人ばかりなんです。

その意識が何よりも重要だと感じています。

 

実用性だけで考えるとスーツは丸洗いできる化繊100%のウォッシャブルスーツ、パンツも感動パンツ、靴はスニーカーでいいかとなります。

でも例えばビジネスで相手が身だしなみにこだわっている人なら、評価はとても低く仕事の信頼性も下がるでしょうね。

逆に上質なものを大切にケアしている人であれば、めんどくさいことも丁寧にできる責任ある人だと信頼されることでしょう。

結局その人の意識は外見に表れるものなんです。

 

 

そういえば昔とある大御所タレントさんがかなり深い深海でも耐えられる腕時計を手に入れ「そんなところまで潜らないでしょ」と突っ込まれたときに、例えば時計を海に落として、いつか潜水艦がその時計を見つけたときに裏の番号を見て「俺の時計だ!」って言えたら楽しいじゃん。と言っていましたが、そんな遊び心がある人ってかっこいいですよね。

 

 

 

 

 

 

冬アウターで見る「効率」か「美学」か。

家を出て駅まで歩いているときにふとロングコートについて考えていたんです。

そしていつものスタバに寄って、あまり見かけない20歳くらいのスタッフさんと何気なく服の話になった際、本当に偶然なのですが「私、ロングコートが好きでよく着るんです」と話してくれました。

ダウン全盛でコート派が減っているいま、若い世代の方がロングコートが好きだと「コートの美しさ」を感じ取っている。

その感性にテーラーとして非常に温かい気持ちになりました。

実際、今の街中を見渡せば、圧倒的にダウンジャケットが主流ですからね。

軽くて温かく、手入れも楽。

これほど合理的な冬の正解はありません。

忙しい現代人にとって、ダウンは心強い「日常の相棒」と言えるでしょう。

しかし、なぜ私はロングコートやウールのコートを好きなんでしょう。

そんなクラシックな服装が好きな人たちの共通点を考えたことがあります。

 

 

 

「手間」を慈しむ、大人の余裕

ロングコートは、決して「楽」な服ではありません。

ダウンに比べれば重さもありますし、可動域も制限されます。

雨の日には気を遣い、帰宅すればブラッシングを欠かさない。

型崩れしないよう、厚みのあるハンガーに掛けて休ませる……。

一見すると「面倒」に思えるこれらのプロセス。

ですが、この手間をあえて受け入れる姿勢こそが、その人の「心の余裕」や「佇まいの美しさ」を形作っているのではないでしょうか。

かつて、装いは「自分を飾るため」だけでなく、「その場や、お会いする相手への敬意(マナー)」でもありました。

王室などはダウンではなく、ウールやカシミヤのコートを着ていますよね。

自分の利便性よりも、その場にふさわしい品格を優先する。そのストイックなまでの美学が、コートの背中から静かに滲み出るのです。

 

 

 

効率の先にある、自分だけの「基準」

もちろん、ダウンジャケットが持つ「機動力」や「最先端の機能美」は素晴らしいものです。

分刻みのスケジュールをこなすビジネスリーダーにとって、それは戦略的な選択でもあります。

ただ、私が日々多くのお客様と接する中で感じるのは、ロングコートを愛する方々が持つ「独自の審美眼」です。

彼らは、流行や効率といった外側の基準ではなく、「自分がどうありたいか」という内側の基準を大切にされています。

それは、鞄や靴、時計の選び方にも表れます。

成りあがったベンチャーなどの社長は分かりやすい高級ブランドを好む傾向があるというデータがあります。

パッと見で分かりやすく、即座に自分を主張できる。

逆にクラシックなロングコートなどを愛する人は、ブランドのロゴで価値を主張するのではなく、その道に特化した職人の手仕事や長く愛せる「本質」を静かに選ぶ。

そんな、自分を律する力が、磨き抜かれた革靴や、丁寧に手入れされたコートの襟元に宿ると思うのです。

 

 

 

「面倒くさい」は、自分への愛情

ファッションとは、究極的には「自分という人間に、どれだけの手間をかけているか」の履歴書かもしれません。

「効率」や「楽さ」を優先する日があってもいい。

けれど、あえて「不便」を受け入れ、美しい「型」を守るためにコートを羽織る。

その少しの緊張感と、自分を整えるプロセスの中にこそ、その人の本質的な豊かさが宿っているように思います。

めんどくさい中に人生を充実させてくれるヒントや成長の種があるのだと思います。

 

 

 

 

 

価値あるものを

最近外を歩いていて、ふと足元を見るとあらためてLOAKEは良い靴だなぁと思わず写真を撮りました。

革のキメの細かさ、美しい光沢、しっかりとした丁寧な縫製、たくさんの高級靴を持っていますがそれらに負けずとも劣らないクオリティなのに10万円以下ですから。

取引先が昔から取り扱っていたのにもかかわらずずっと興味を持たなかったのですが、ちょっと1足買ってみようと気軽な感じで手に入れた経緯があります。

届いてみたらそれが想像以上の素晴らしさで一気にファンになりました。

その後追加で購入したらもちろん同じように納得の品質で今年も注文する予定です。


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たくさんの服を着ていて本当に価値があると思えるものはテンションが上がり、自信がつき、やる気が出ます。

スーツでいうとオイスターやプルミエクリュ、Hレッサー、リージェンシー、ロロピアーナetc外を歩いているときにふと日に当たったスーツを見るとその溢れ出る品がひと目でわかるんです。

もう、どこどこ産のウールやSUPER表記とかもはやどうでもよく、とにかく美しい。とにかく気分が上がる。

 

そのような自分にとって最高と思える製品を身に着けるたびによく思うのは、価値はブランドや値段ではないということです※もちろん上質なものは値段が高いものが多いですが

例えばLOAKEの倍以上の値段がする高級靴で、まぁ着こなしや組み合わせとしては悪くないけどテンションが上がるわけでも見とれてしまうほどでもない靴も持っています。

これは上質なものではあるもの私にとっての価値は大して高くないのだろうということです。

TVなどでも一発当てたベンチャー企業の社長が、高級外車に乗りハイブランドを買いあさっているのを見たのですが、それは自分が本当に欲しいのではなく周りが欲しがっているものを手に入れているだけだと思います。

外側の基準で選んでいる。

それは“所有”ではあっても、“価値”ではないんです。

“自分も持っていれば価値があるように見える”と錯覚してしまうからです。

価値とは、「自分の感性が震えるかどうか」自分基準のはず。

もしベンツが好きで例えば無人島でも、あるいはベンツのことを誰も知らない興味もない道路も整備されていない街で暮らすとしても、どれだけ不便でも乗るとテンションが上がり見ているだけでうっとりするくらいベンツが好きなのであれば、それはとても価値があるということです。

 

スーツなんてロロピアーナの生地で仕立てても、ほとんどだれにも気づかれませんからね(笑)

よっぽどおしゃれな人が着こなしや雰囲気で上質なスーツだと気づいても、一般の方にはスーツなんて大体同じものですから。

それでも着ている人は背筋が伸び自信が湧きやる気が起き、人生を充実させる意味を持っているのですから、それこそ本当の価値だと思います。

私なんて高級スーツを着てカフェでのんびりして散歩して帰ってくるだけの日もありますが、誰に気づかれなくても楽しくて仕方ありません。

 

人生は短いですから自分の為に自分が楽しめることに焦点を当てて生きていくと充実し後悔の無い人生を歩めると思います。

p.s.そういえば最近眼鏡で、自分が気に入ったモノと店員さんにごり押しされた有名ブランドので迷いその有名ブランドの方を買いものすごく後悔しましたね※結局忘れられず1年かけて名前も品番も知らなかった自分が選んだ眼鏡を探し出しました笑

 

 

 

ブランドロゴが消える?

ネットニュースで見たのですが、「The new luxury bag is indie(新しいラグジュアリーバッグは“インディ”である)」という海外の記事が話題になっていました。

記事の中では、LVMHをはじめとしたラグジュアリーグループが伸び悩む一方で、『大きなロゴを前面に出さない、無名に近いブランドのバッグが支持を集めている』という現象が紹介されていました。

派手なモノグラムや、誰が見ても分かるブランド名。

かつては「成功」や「豊かさ」の象徴でしたが、今は少し空気が変わってきているようです。

 

 

 

ロゴが消えたのではなく、「主張」が消えている

最近、
「一目で高そう」
「分かりやすくブランド」
そういう服装をしている方よりも、

・色数が少ない
・装飾がない
・素材とサイズ感がきれい

そんな装いをしている方の方が、圧倒的に上品で洗練されて見える。

これは流行というより、価値観の変化だと思っています。

私たちが好む上質だけどシンプルな着こなしが見直され始めたのかもしれません。

ロゴは「分かりやすい記号」です。

でも、本当に自分の軸ができてくると、人に分かってもらう必要がなくなる。

誤解のないように言っておくと、ロゴが悪いわけではありません。

ロゴにはロゴの役割がありますし、それ自体がデザインとして美しいものもあります。

ただ、ロゴが「主役」になりすぎてしまうと、途端に服がうるさくなるということです。

 

ロゴが邪魔をしない。

もしくは、ロゴがなくても成立する。

そういう装いを選ぶようになると自然と


・素材
・色のトーン
・サイズ感
・全体のバランス

に目が向くようになります。

つまり、ロゴに頼らない分、本当のセンスが鍛えられる。

スーツという服は、もともとそういう世界です。

どこのブランドかは外から分からない。

だからこそ、ごまかしが効かない。

ロゴがないからこそ、着る人自身の感覚や美意識が、そのまま表に出る。

最近「ロゴなし」が選ばれているのは、流行というより、そうした感覚を心地よいと感じる人が増えてきた結果なのかもしれません。

 

別にロゴが派手だっていいんです。

今回ご紹介した「The new luxury bag is indie」の記事ではあくまで価値観が変わり始めているという内容ですので。

堂々とロゴが前面に出ていても洗練されていたり、それ自体を楽しむ着こなしであれば全く問題はない。

うちは上質でありながらシンプルな着こなしをメインとしたスタイルが多いですが、反面どこにもないデザインのスーツも仕立てて楽しんでいます。

だからぜひ唯一無二のど派手なスーツを仕立てにお越しください(笑)

 

 

 

 

スーツと同じように、眼鏡も着替える

何度かブログで書いていますが私は眼鏡が大好きです。

現役だけで10個以上持っていますし、そんな色々買えるほど余裕があるわけでもないのですが去年もたくさん買ってしまいました・・・。

今月も一つ購入し、まだ狙っているものがあります(笑)

眼鏡は顔の印象をガラッと変える力があります。

だから服装に合わせて、状況に合わせて、作りたい印象に合わせて毎回眼鏡を選んでいます。

 

眼鏡ってなんでも無難に合うものが多い反面、本当に似合っていると思える眼鏡をかけている人は意外に少ない。

自分も昔は何個も失敗したのでよく分かりますが、顔の形や大きさ、髪型やパーツによって相性がいいタイプは限られてくる。

お客様でも眼鏡がお似合いの方が多く、私も見るだけで嬉しくなることが多いです。

 

存在感のある眼鏡は印象に残ります。

個性を表現できたりするのも事実です。

ただ、その主張が強すぎると、眼鏡の印象が先に立ってしまうことがあります。

特に仕事で人と会う場面では、眼鏡の印象がそのまま「その人の印象」になることも少なくありません。

少しもったいないな、と思うことがあります。

一方で特別目立つデザインというわけではないのに、なぜかとてもよく似合っている方がいらっしゃいます。

当店のお客様でも多いのですが、バランスが素晴らしくその人全体が落ち着いて、一体化しているように見える。

ひと目でわかるほど眼鏡自体も素晴らしいのに主張しすぎていない。

あとから振り返ると、「話しやすかったな」「感じのいい方だったな」そんな印象だけが、心に残るのです。

 

これってスーツと同じですね。

仕事ではスーツそのものが前に出るのではなく、着ている人の表情や所作、言葉を引き立ててくれることが大事。

上質でシンプルなスーツこそエグゼクティブたちに好まれる。

結果として、その人自身の魅力が自然に伝わる。

いいスーツがそうであるように、いい眼鏡もその場の雰囲気を整えてくれるんです。

ちなみに私は基本コンサバですが、派手な着こなしで遊ぶのも大好きです(笑)


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スーツも眼鏡も「これ一つで全部こなすもの」だとは考えていません。

今日はどんな場所に行くのか。

どんな人と会うのか。

話す立場なのか、聞く立場なのか。

それとも、少し力を抜いて過ごしたい日なのか。

そうした状況や気分に合わせて、スーツを着替えるように眼鏡も選び直す。

それだけで、その場にすっと馴染めることがあります。

 

「今日はこれで行こう」

そう思える一着や一本があると、一日が少しだけ気持ちよく始まる気がします。

スーツも眼鏡も、ぜひその日の居場所に合わせて着替えてみてください。

きっと、雰囲気は自然と整ってくれるはずです。