知り合いのテーラーさんが今月でお店を閉められるそうです。
長い間お疲れ様でした。
少し年上の女性テーラーさんなのですが、私も色々お世話になり、この業界では珍しく?(笑)常識がありマナーに精通し心優しい本当に信頼できる方でした。
羅紗屋やテーラーだけでなく超一流ブランドに勤めた経歴もあり、オシャレで若々しく凛とした姿はモデルのようでかっこよかった。
しかもご自身でパターンも引ける才色兼備ぶり。
移り変わりの激しい今の時代、そんな方がいる本当のお店がまたひとつなくなってしまうのはとても残念ですね。
本物を好まれる方というのは本質を見ようとする方が多いと思います。
ブランド名だけや周りが買っているからという理由ではなく、自分で何がいいかを考えられれば人生はとても充実したものになるのだと思います。
先日ブログでも書いたオーダースウィングトップ(ハリントンジャケット)の製作を進めているのですが結構大変な作業です。
オーダーシートを完成させるのに6時間くらいかかりました※本縫いの時さらに追加でかかります
今回はシート4枚分です。
普通のパターンオーダーであれば、採寸時にオーダーシートに記入していって、あとで改めて抜けはないか、サイズは間違ってないかなどを確認するだけで終わります。
しかしうちのBespokeラインは型紙を1から作るので、私がその都度データや画像を作成し細かく指示を出します。
以前オーダーいただいたお客様であれば型紙を残していますが、大体生地によってもいじったり調整したりデザインを変えるので毎回指示書を新たに作成します※ちなみにMTMでもSPiCAオリジナルのシルエットやデザイン調整の場合は時間をかけて指示書を作っています。
前回と同じものを作っても若干違う雰囲気で仕上がる場合もあります。
まぁ、サイズは一緒ですしほとんどのお客様は気づかないかもしれませんが(笑)
でもそれがいいと思いませんか?
南イタリアなどの最高峰のサルトなどもそんな感じです。
職人の手作業というのはそういうところに表れる。
大量生産品のすべて同じ感じ、ピシッと直線的でコピー品のような正確さで作ることができる。
それ自体は凄いことで日本人の正確さ生真面目さが出ていて評価される部分ではありますが、熟練の職人が作る工芸品や上質な木材を使用した高級家具をみてもやはり一つ一つそれぞれの顔があるような気がします。
職人の手が入ったものには、作り手の呼吸や判断がそのまま刻まれていて、同じ型でもどこかしら表情が違う。
その“揺らぎ”こそが、工業製品にはない温度であり、長く愛される理由なのだと思います。
そのような製品をたくさん作っていきたいですね。
人気のスウィングトップですが、個人的にはセットインのブルゾンもおすすめです。
生地はカシミヤがいいですが、フラノやツイードも捨てがたい。
春から秋にかけては上質なコットンですね。
ラグランスリーブはかなり動きやすいですがカジュアル感が出てしまいます。
セットインにすれば一気に上品になり、上品な大人カジュアルな高級ブルゾンに。
前はジッパーなので上までしめればテーラードジャケットに比べ胸元も寒くありません。
自転車などに乗るときにも重宝しそう。
パンツはデニムでもスラックスでもチノでもなんでも合わせることができる。
ENRICO MANDELLIのブルゾンとかかっこいいんですよ。
40万~70万とかしますがうちなら半額くらいで作れます。
スウィングトップもバラクータではなくエレガクータとでもしときましょうか(笑)