原価率2%の鞄

先日お客様からアパレル業界で話題になったとあるニュースを教えていただきました。

世界一のハイブランドであるLVMHグループのDiorが約45万で売られているバッグをわずかおよそ9000円で作らせていることが分かりました。

原価率約2%です。

すごいですね。

記事を調べてみた感じ多分原材料費等は入っていないとは思うのですがそれにしても凄まじい利益の乗せ方です。

以前革職人がエルメスの鞄を分解し革の原価、職人の給料、公表されているデータをもとに原価を出したところ60万程の鞄が4~6万位だったので同じようなものでしょうか。

大体ハイブランドはこんなものです。

例えば帆布で作られた本当に特別な形でも縫製でもないただのエコバッグがブランドロゴが付くだけで1万以上で売っているのを見るとさすがに素人でもそんなにしないことは分かるでしょう。

1000円にも満たない女性ファッション雑誌がおまけでつけたりするレベルなんて原価100円以下ですよ。

それでも「そのブランドのネームが付いた品が欲しい」という心理をついて販売し、お客も分かったうえで購入しています。

 

このようなハイブランドのあまりに低い原価率については私は特に悪いとは思っていません。

あくまで需要と供給のバランスで価値を決めるのは市場です。

原価が100円のものを1000万で欲しいといっている人がいるなら売ればいいし買えばいい。

本人たちの自由なのでルールを守り嘘をついていないのであれば好きにすればいいと思います。

ちなみにうちのスーツの原価率は超絶高いのでこのままお店を維持できるか不安です※かなり切実

 

 

 

ただ今回のDiorの問題はそこではなく、Diorが鞄を作らせていた下請けはペーパーカンパニーでマフィアも関連していること。

シリアや中国からの難民などを不法に雇用し24時間監視体制で低賃金で働かせていたことです。

実際に工場から逃げ出す職人などの映像も残っており倫理的な点が問題になっているのです。

同じくアルマーニも同様なことで監査を受けていますが、過去にもバーバリーやコーチetcありとあらゆるハイブランドが問題を起こしています。

「下請けが勝手にやったから」ではすまされません。

大企業はどのように作られているか理解しておかなければいけない義務がありますし、世界的に有名なスニーカーブランドでは下請けの工場の状況、設備、働いている職人の給料、待遇etcすべて現地でチェックし合格した工場だけに依頼をしています※それでも抜け道を探す工場も多いですが

また当たり前ですがそのような状況で作られた商品の質は低いです。

よくハイブランドを分解して評価する職人の動画がありますが価格に見合っていないものが多いのが実情です。

 

 

ハイブランドすべてが悪いわけではありませんがいかに稼ぐかしか考えていないのでしょう。

逆に鞄なら鞄、眼鏡なら眼鏡と特化したブランドはプライドをかけるかのように良い品を世に送り出したいという気持ちで作っているところが多い気がします。

私たちが取り扱う高級生地ブランドもそう。

イタリアの生地産地ビエラではゼニアやVBCなど名だたる生地メーカーがありますがとにかく自然を大切にする。

工場はあれど美しい自然が溢れているのは資源の効率的な利用と汚染防止を徹底的に取り組んでいるから。

豊富に利用する水は使用前以上にきれいにしてから排出し、有害物質は出さず、働いている職人に敬意を払い、清潔な環境を維持しています。

あらゆるメーカーのモットーには感謝と自然への敬意の言葉が見られます。

 

もう一度言いますがすべてのブランドが悪いわけではありません。

ハイセンスなデザインで上質な原材料と製品、ちゃんと基準を守った工場でしか作らないブランドもたくさんあります。

しかしただ何も考えずブランド名だけで購入しその製品の質を理解できない人は見栄だけで購入していて周りからも素敵だとは思われていないと思います。

裸の王様にならないよう気をつけなければいけません。